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誰もいないのに、なぜ「誰かいる」と感じるのか?──脳と環境がつくる幽霊の正体

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

夜。

部屋の電気を消して、ベッドに入る。

しばらくすると――

「……ん?」

部屋の隅に、誰か立っている気がする。

もう一度見る。

何もいない。

「気のせいか」

布団をかぶる。

数秒後。

「……いや、やっぱりいる気がする」

人間は、ときどき存在しない誰かの気配を感じます。

幽霊なのでしょうか?
それとも、脳が勝手に作ったのでしょうか?

どうやら人間の脳は、誰もいない場所にも「誰か」を作ってしまうことがあるようです。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

金縛りになると「誰か」までやってくる

「体が動かない……」

目は開いている。
部屋も見えている。
それなのに、指一本動かせない。

しかも、

「……誰かいる」

ベッドの横に人影が立っている気がする。

金縛りでは、

「体が動かない」

だけでなく、

「部屋に誰かいる」

と感じることがあります。

人影が見えたり、声が聞こえたり、胸を押さえられているように感じる人もいます。

眠っている体と、目を覚ました意識がうまく切り替わらないと、こんな奇妙な体験が起こることがあるのです。

昔なら悪魔。
日本なら妖怪。
現代なら黒い謎の人影。

名前は違っても、
寝室には昔から、呼んでもいない『誰か』が勝手に現れるようです。

雑音に「助けて」が隠れている?

ラジオから、

「ザー……ザー……」

という音が聞こえる。

「今、“助けて”って言ったよな?」

「いや、“焼きそば”じゃない?」

どちらも真剣です。

ただの雑音なのに、言葉のように聞こえることがあります。

これは聴覚パレイドリアと呼ばれる現象の一つです。

特に、

「この中に声が入っています」

と先に言われると、曖昧な音から言葉を探しやすくなります。

ザーザーという音だったはずなのに、

一度、

「たすけて……」

に聞こえると、もうそうとしか聞こえない。

耳が幽霊を聞いたというより、

脳が字幕を付けてしまった

と考えた方が近いのかもしれません。

「なんか嫌な部屋」には理由があるかもしれない

古い建物の廊下。

「ここ、なんか嫌な感じしない?」

「幽霊?」

「そういうこと言うと、余計に怖くなるだろ」

人間にはほとんど聞こえないほど低い音をインフラサウンドと呼びます。

これは古い機械や換気設備、大きなファンなどから発生することがあります。

低周波と不快感やストレス反応の関係は現在も研究されていて、

「低周波を浴びれば幽霊を見る」

とまでは言えません。

ただ、

「何も聞こえないのに、なんとなく落ち着かない」

という感覚に、周囲の環境が関わっている可能性はあります。

怪しい建物に入ったとき、

本当に何かがいるのではなく、

建物そのものが不気味さを作っている場合もあるようです。

本当に怖いのは「幽霊じゃなかった」とき

家の中で、家族みんなが妙にぼんやりしている。

「最近この家、変じゃないか?」

「頭痛いし、なんか気持ち悪い……」

「幽霊?」

「そっちじゃないことを願おう」

昔から、

「幽霊が出る家」

とされた場所の中には、ガスや暖房設備が関係していたと考えられる事例もあります。

特に危険なのが一酸化炭素

頭痛、めまい、混乱などを引き起こし、強く曝露すると命に関わります。

だから、

家族みんなが同時に、

「頭が痛い」

「ぼーっとする」

となった場合、

怪談として楽しんでいる場合ではありません。

このとき疑うべきなのは、

幽霊より先に、家の中の空気です。

幽霊は「見る前」から始まっている?

古い屋敷に入る前。

案内人がぽつりと言います。

「この廊下、白い女が出るそうですよ」

「へえ」

数分後。

白いカーテンが揺れる。

「いた!」

「カーテンです」

人間は、目の前にあるものだけを見ているわけではありません。

「何が起こりそうか?」

という予想も使いながら周囲を見ています。

だから、

「ここには幽霊が出る」

と聞いたあとでは、

床のきしみ。
カーテンの揺れ。
遠くの物音。

そんなものまで、少し怪しく見えてきます。

幽霊が現れたから怖くなったのではなく、

怖くなったあとで、幽霊を探し始めることもあるわけです。

最後に

夜中。

廊下から、

「ミシッ」

と音がする。

「……誰かいる?」

返事はない。

もう一度、

「ミシッ」

頭の中には、いつの間にか人影まで出来上がっています。

でも正体は、

眠りかけの脳かもしれない。
家の軋みかもしれない。
低い振動かもしれない。
ただの雑音かもしれない。

そう考えながら、少し安心して布団へ戻る。

その瞬間。

背後から、

「ミシッ」

振り返る。

何もいない。

「……分かってる。家の音だ」

そう言って、今度こそ布団に入る。

科学を知っても、

二回目はちゃんと振り返る。

人間とは、たぶんそういう生き物です。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、無駄雑学などの小噺を発信しています。
どうぞ、ふらりと覗いてみてください。
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