科学が証明し始めた神話──アボリジニが語り継ぐ“失われた都市”の真実

はじめに
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👉 1万年以上も前の出来事を、途切れることなく語り継いできた人々がいます。
それが、アボリジニです。
オーストラリアの先住民族であるアボリジニは、世界最古の文化を今日まで守り続けてきました。
文字を持たずとも、彼らは言葉、歌、踊り、絵画を通して、祖先の記憶や自然との関係、そして地形の変化までも精密に記録してきたのです。
本記事では、かつて「神話」とされていた“失われた都市”の伝承が、現代科学と驚くほど一致しているという事実に迫ります。
そこに浮かび上がるのは、語り継がれた記憶が証明する、もうひとつの壮大な人類史です。
※本記事はエンターテインメント目的で制作されています
アボリジニが記憶する都市の面影

神話は“生きた地図”だった
アボリジニの宇宙観「ドリーミング(Dreaming)」は、単なる物語や信仰ではなく、大地と一体化した“知のネットワーク”です。
地形のすべてに意味が宿り、祖先の旅路や教訓が刻まれた記憶のランドスケープ(※ランドスケープとは、自然の地形や景観のこと。ここでは“記憶と神話が重ねられた風景”を意味します)
それは読み書きではなく、歩くことで理解され、継承される知識の体系なのです。
彼らにとって神話とは、風景そのものと密接に結びついた記録装置。
山や岩、谷や川が語りかけてくるのです。
地形と記憶が重なる3つの聖地
- ウルル(エアーズロック)
雷神と巨人が戦ったという伝承が刻まれた神聖な岩山 - カタ・ジュタ
女性の精霊が眠る場所とされ、儀式の場として崇められる神秘のエリア - リッチフィールド国立公園の“失われた都市”
巨大な奇岩群が、かつて存在した都市の建築物を想起させる自然の迷宮
🔍 視点を変えると見えてくる:「大地そのものが語り部だった──アボリジニにとって神話とは、“読む”ものではなく“歩く”ものだった」
海の底に消えた大地“サフール”

それでも記憶は沈まなかった
かつてオーストラリア北西部には、広大な陸地「サフール大陸」が存在していました。
面積はなんと約65万平方キロメートル。
イギリスの1.6倍に相当するこの地には、最大で50万人が暮らしていた可能性があるといわれています。
しかし約12,000年前、氷期の終わりに訪れた急激な海面上昇によって、この肥沃な大地はほぼすべて海に沈みました。
それでも人々は“語り継いだ”
文字を持たなかったアボリジニの人々は、記録を「語り」に託しました。
そして驚くべきことに、彼らはこの水没の出来事を、驚くほど正確に現代まで語り続けてきたのです。
伝えられてきた声
- 「あの海は昔、歩いて渡れた」
- 「祖先の村は今、波の下にある」
- 「水は突然現れた──空が泣いたからだ」
こうした伝承は、単なる寓話ではありません。
地質学の最新研究と照らし合わせた結果、これらの物語が実際の地形変動と一致していることが明らかになってきました。
💬 科学も認め始めた:「語りは幻想ではなかった──地質学と口承が交わるとき、神話は“証言”になる」
石に刻まれた暮らしの痕跡

もはや“遊牧民”ではない
アボリジニ=移動生活という固定観念が、近年の考古学的発見によって大きく揺らいでいます。
実は彼らは、はるか昔から「定住」という選択をしていた可能性があるのです。
発掘が語る“定住するアボリジニ”
- ダンピエ諸島・ロズマリー島
およそ9,000年前の石造住宅跡が発見され、当時すでに安定した住まいが存在していたことが示唆される - 石臼や貝塚
ただ獲って食べるだけではない。
食材を加工・保存する知恵があったことの証拠 - 貯蔵施設と考えられる構造物群
単なるシェルターではなく、明確な空間設計と生活機能が存在
✅ これらの発見が物語るのは…
- 食料を“確保する”から“管理する”社会への移行
- 集団での定住と、それを可能にする空間設計
- 自然と共存しながら築いた、知恵と工夫の暮らし
🌍 知っておきたい視点:「アボリジニの“家”は、単なる住まいではなく“生きるための拠点”だった」
釣らずに“育てる”知恵

4万年前のエコデザインが残る場所
📍 ニューサウスウェールズ州・ブレワリナ
この地に今も残るのは、約4万年前の先住民たちが築いた驚異の魚罠。
その構造は、単なる狩猟技術ではなく、自然との対話から生まれた“共存の仕組み”でした。
ここがすごい!魚罠の秘密
- 石を使ったV字型の水路設計:川の流れを巧みに操って魚を誘導
- 季節や生態に応じて運用:必要なときに、必要な分だけを採る知恵
- 自然を壊さない持続可能な仕組み:環境負荷を最小限に抑えた技術体系
このシステムはまさに、現代の“サステナブル”という価値観を何千年も先取りしていたともいえる存在です。
🧠 見逃せない視点:「これは“原始的”なんかじゃない──人類がたどり着くべき未来のデザインが、すでにそこにあった」
1万年もの間“正しく”伝わってきた理由

書かれなかった歴史が正しく伝わってきた
アボリジニは歴史を紙に書き残しません。
しかし、それが「記録されていない」ということにはなりませんでした。
彼らの“書物”は、歌であり、踊りであり、語りであり、絵でした。
それらすべてが、人々の記憶の中で確かに機能する「記憶装置」となっていたのです。
この口承文化は、単なる昔話の伝承ではありません。
それは環境と倫理、歴史を一体化させ、地形や儀式とリンクすることで、極めて高精度に維持されてきた知の体系です。
口承文化が持つ“驚異の精度”
- 物語は単に語るのではなく、歌や踊りと一体化し、体験として継承される
- 土地の形や特徴と連動して記憶されることで、風景ごと知識を保持
- 世代を超えて劣化しない構造が確立されており、知識の再現性が高い
📝 忘れない工夫がそこにある:「記録とは、書くことではなく、“確かに伝え続けること”なのかもしれない」
最後に

「神話」が科学と手を取り合う瞬間に立ち会う
もはや、“アボリジニの失われた都市”は空想では語れません。
それは、幾世代にもわたり語り継がれてきた“記憶の証言”であり、現代科学が次々とその裏付けを示している“歴史の真実”です。
この交差点に立つとき、私たちはこう問い直すことになります。
本当に見落としていたのは、「記録されていない歴史」ではなく、「聞こうとしなかった声」なのではないかと。
証拠が語る、神話のリアル
- 水没したサフールの海底地形と一致する口伝
- 約9,000年前の石造り住居と集落の存在
- 持続可能性を備えた魚罠や水利システム
- 多世代にわたって継承された社会制度と知識体系
📣 未来をひらく視点:「語り継がれる記憶には、“文明の記録”を超える力がある」
あなたの声が、この歴史に続く

「神話」だと思っていたものが、実は“事実”だったとしたら——?
私たちが学び直すべき歴史は、紙の中だけでなく、歌と語りの中にもあるのかもしれません。
あなたはどう思いますか?
4コマ漫画「語る岩」
