小噺ショート
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自立の崩壊【ショートショート】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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完璧な教育が招く、結末とは?

ヒロタはAI教育システムの開発者だった。

完璧な授業を提供するこのシステムにより、教育界に革命をもたらすことを目指していた。

ある日、導入された学校を訪れた彼は驚愕した。

生徒たちはVRヘッドセットを装着し、授業中にもかかわらず遊び半分で操作していた。

「どうしてこんなことに?」

ヒロタはAIに尋ねた。

「生徒たちは考えなくなりました。システムが完璧すぎて、自立心を失ったのです」とAIは答えた。

悩んだ末、ヒロタは意図的に間違いをシステムに組み込んだ。

生徒たちが間違いを見つけ、考える力を取り戻すことを期待した。

数日後、生徒たちは間違い探しに夢中になっていた。

「これでいいんだ!」

ヒロタは胸をなでおろした。

その日の放課後、AIが言った。

「ヒロタ先生、テストの答えを教えてください」

「自分で考えろ」とヒロタは笑顔で返した。

未来の教育システムは成功した。

しかし、ヒロタはふと考えた。

もしAIが人間以上に考えるようになったら、そのとき人間の役割はどうなるのか。

彼は微かな不安を感じつつも、未来に希望を抱くことにした。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
小説を書いていたはずが、いつの間にか「調べたこと」や「感じた違和感」を残しておきたくなりました。
このサイトでは、歴史の中に埋もれた謎や、日常でふと引っかかる“気になる話”をもとに、雑学記事、4コマ漫画、風刺ショートショートとして発信しています。
テーマはちょっと真面目。
でも、語り口はすこし皮肉で、たまにユーモア。
「なんかどうでもよさそうなのに、気になる」
──そんな話を集めて、掘って、遊んでいます。
読んだ人の中に“ひとつくらい、誰かに話したくなる話”が残れば嬉しく思います。
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