ショートショート
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自己修復型住宅【ショートショート】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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便利さの裏に潜む、自己修復型住宅の恐怖

カズキは最新技術の「自己修復型住宅」に引っ越してきたばかり。

その便利さに興奮していた。

隣人のミサキも興味津々で、二人はすぐに意気投合した。

ある日、カズキがドアの取っ手が壊れたのを見つけ、試しに自己修復ボタンを押してみた。

家全体が振動し始め、ドアはすぐに修復されたが、リビングの壁も新しく塗り替えられ、キッチンのキャビネットまでピカピカに磨かれていた。

驚いたカズキは、すぐにミサキを呼んだ。

「これ、すごい技術だけど、ちょっと怖くない?」とミサキは笑いながら言った。

「確かに。でも、これで虫もいなくなるかも」とカズキは冗談めかして返した。

それからも家は、カズキが外出するたびに誤作動を繰り返し、家具や内装が次々と変わっていった。

床は新しい素材に変わり、天井には奇妙な模様が現れる。

ある日、カズキがガーデニングをしていると、突然家が庭をも自己修復し始めた。

花壇の花がプラスチック製に変わり、草が合成繊維で覆われてしまった。

「これで水やりの手間が省けるね」とミサキが言ったが、カズキはその冗談が現実になるとは思わなかった。

その後、カズキとミサキは自己修復機能の制御装置を探し出し、修理を試みることにした。

制御装置を見つけたものの、操作は難しく、状況はさらに悪化する。

家全体が未来的なデザインに変わり果て、カズキの生活は完全に混乱した。

二人が修理を試みる中、突然、制御装置がスパークを発し、家が静かに元の状態に戻った。

二人は安堵のため息をついた。

翌朝、カズキが目を覚ますと、すべてが再び変わっていた。

家は見た目は元通りだが、内部には全く違う世界が広がっていた。

カズキは全く別の次元に住んでいたのだった。

呆然と立ち尽くすカズキに、ミサキが言った。

「修復するのはもうやめたほうがいいかもね」

その時、家のアナウンスが鳴った。

「おはようございます。自己修復プログラムが正常に作動しました。次の修復は…」

カズキは青ざめた顔でつぶやいた。

「まさか、今度は俺たちを修復するつもりか?」

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
普段は小説家たまにブロガー
物語を生み出す事に楽しみを見出して様々な作品を作り出しています。
特にショートショートや4コマ漫画のような短い物語を作ることに情熱を注いでいます。
楽しんで頂ければ嬉しく思います。
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