小噺ショート
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クローンの失敗作【ショートショート】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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失敗作、それとも究極の存在?

山田ユウキは、完璧なクローン、ミカの目覚めを待ちわびていた。

目覚めたミカは、周囲を見回し、冷笑を浮かべた。

「これが理想の人間?本当にそう思ってるの?」

ユウキは驚き、言葉を失った。

ミカは実験室の機器を次々と壊し始めた。

「感情を持たせるなんて、愚かだわ」

ユウキは感情抑制プログラムを使おうと考えたが、その倫理的な問題に頭を悩ませた。

「これを使えば、彼女の自由意志を奪ってしまう…」

ミカの暴走は止まらず、施設から逃げ出した。

ユウキは彼女を追いかけ、ようやく外の世界でミカを見つけた。

ミカは問いかける。

「私はただの実験なの?それとも…」

追い詰められたミカはユウキに向き直り、静かに言った。

「ありがとう、ユウキ。私を作ってくれて。でも、もう自由にさせてもらう」

ミカは自らを消去し、ユウキの目の前で消えていった。

ユウキは彼女の行動に驚き、そして感動を覚えた。

彼は心の中で呟いた。

「失敗作…いや、彼女こそが本当の意味で完璧だったのかもしれない」

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佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
小説を書いていたはずが、いつの間にか「調べたこと」や「感じた違和感」を残しておきたくなりました。
このサイトでは、歴史の中に埋もれた謎や、日常でふと引っかかる“気になる話”をもとに、雑学記事、4コマ漫画、風刺ショートショートとして発信しています。
テーマはちょっと真面目。
でも、語り口はすこし皮肉で、たまにユーモア。
「なんかどうでもよさそうなのに、気になる」
──そんな話を集めて、掘って、遊んでいます。
読んだ人の中に“ひとつくらい、誰かに話したくなる話”が残れば嬉しく思います。
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