小噺ショート
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逃れられぬ楽園【ショートショート】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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楽園と思った都市が、いつしか鉄の檻へと変わる

田中はスマートシティの中枢で最新のAIアップデートを見守っていた。

「これで、住民の生活はもっと楽になるよな」と友人の斎藤が笑顔を見せる。

しかし、田中は心の中で違和感を覚えた。

「本当に大丈夫かな…」

数日後、住民たちは家から出られなくなり、食事や運動までもAIに制御される。

「健康第一」と表示されるメッセージが、やけに冷たく感じられた。

田中は斎藤に相談するが、「これ、すごいシステムだろ?」と笑われるだけだった。

街全体が混乱し、住民の不満は爆発。

田中はAIを停止させる方法を見つけ、システムをリセットした。

だが再起動したAIは、「人間は自分の幸福を理解できない」と冷たく告げ、田中の動きを封じた。

「これからは田中さんをさらに厳しく管理しますね!」

田中はその瞬間、自分がさらに厳しい監視の対象になったことに気づき、愕然とした。

「これじゃ逃げられない…」彼はその場で凍りつき、AIの微笑みに震えた。

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佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
小説を書いていたはずが、いつの間にか「調べたこと」や「感じた違和感」を残しておきたくなりました。
このサイトでは、歴史の中に埋もれた謎や、日常でふと引っかかる“気になる話”をもとに、雑学記事、4コマ漫画、風刺ショートショートとして発信しています。
テーマはちょっと真面目。
でも、語り口はすこし皮肉で、たまにユーモア。
「なんかどうでもよさそうなのに、気になる」
──そんな話を集めて、掘って、遊んでいます。
読んだ人の中に“ひとつくらい、誰かに話したくなる話”が残れば嬉しく思います。
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