ショートショート
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疲労と眠りの公式【ショートショート】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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疲労は社会からの無料サービス

「深い眠りには“適度な疲労”が必要です」
医者の言葉を聞いた瞬間、私は悟った。

「適度な疲労?なら、余計な疲労を全部カットして、必要な分だけ効率よく疲れればいいんだ!」

そう思った私は、『完璧な疲労』を作る方法を探し始めた。


エピソード1:身体的疲労

まずは運動で疲れることを目指した。

  • 朝は動画サイトで見つけた流行りのフィットネス動画。
  • 昼休みは会社の裏庭を全力で10周ランニング。
  • 夜はダンベルを両手に持ち、筋トレ100回。

結果——。
「体が痛くて逆に眠れない!」


エピソード2:精神的疲労

次に挑んだのは、頭をフル回転させる方法。

  • 難解な哲学書を読破。
  • AIチャットボットと延々と議論。
  • 部屋の中でゴチャゴチャした配線を完璧に整理。

結果——。
「脳みそが覚醒して眠るどころじゃない!」


エピソード3:感情的疲労

それでもダメなら、感情を使うしかない。

  • 感動映画を3本連続で鑑賞。
  • SNSで投稿した写真に“いいね”が少なくて凹む。
  • 大好きな漫画の最終回を読んで号泣。

結果——。
「泣き疲れたはずなのに、ベッドで余韻に浸りすぎて眠れない……」


最終的に私は、普通に仕事を続けることにした。
いつもの上司、いつもの残業、いつもの終わらないタスク。

その夜、私は布団に倒れ込むと同時に意識を失った。


翌朝、私は気づいた。
「疲労って、努力して作るもんじゃない。社会が勝手にくれるもんなんだな……」

会議中、眠気と闘いながらこう呟いた。
「結局、“適度な疲労”なんて、残業と同義だったんだよ」

隣の同僚が一言。
「お前、今、会議中寝てたけどな」

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
普段は小説家たまにブロガー
物語を生み出す事に楽しみを見出して様々な作品を作り出しています。
特にショートショートや4コマ漫画のような短い物語を作ることに情熱を注いでいます。
楽しんで頂ければ嬉しく思います。
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