修復の果て【ショートショート】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
新たなエネルギー源が発見された。
しかし、その利用には大きなリスクが伴う。
「これを公表すべきか?」
研究者の安藤は迷っていた。
科学の進歩が人類を救うと信じる一方で、その力が誤って使われた時の恐怖が頭をよぎる。
その情報を聞きつけたエネルギー企業のCEO、大山悟が現れる。
彼は巨大利益を狙い、無理やりエネルギー源を奪おうとする。
「俺の発見を横取りされてたまるか!」
安藤は怒りと決意で胸がいっぱいになった。
彼の研究が悪用され、自分の責任にされるのを防ぐため、立ち向かうことを決意する。
深夜の研究施設、安藤は大山の手下に囲まれていた。
「諦めろ」
大山が冷たく言い放つ。
「お前なんかに負けるものか!」
安藤はエネルギー源の制御装置に手をかける。
「これで俺の未来を守るんだ!」
装置を操作し、エネルギー源を安全に処理した。
その瞬間、施設は閃光に包まれ、大山の野望は粉砕された。
安藤はほっと息をつき、心の中で呟いた。
「これで俺の責任にはならない」
彼は最初、科学の力が全てを解決すると信じていた。
しかし、今はその力がどれほど危険であるかを理解し、責任を持って利用することの重要性に気付いた。
安藤はその重みを胸に刻み、エネルギー源の研究資料を燃やし、新たな未来に向けて静かに歩み始めた。