極限の希望【ショートショート】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
山田和真は未来予測装置のテスト結果を見つめていた。
「また不確かな結果か…」
心に不安が募る。
研究室のドアが静かに開き、ジャーナリストの山本あかりが入ってきた。
「その装置、大丈夫なの?」
「完璧だと思ってた。でも、この結果じゃ…」
和真の声は震えていた。
あかりは和真の顔をじっと見つめ、「過去の失敗を気にしてるのね。でも、このままだと社会が混乱するかもしれないわ」と優しく言った。
彼女の言葉に和真は心を揺さぶられた。
「分かった。一緒に真実を探ろう」
深夜、二人は研究室に戻り、秘密のテストを開始した。
未来の予測と現在の状況が微妙にずれていることが明らかになる。
装置の予測が未来を変える原因になっていると知り、二人は息をのんだ。
「未来は予測するものじゃなく、僕たちで創るものだ」と和真は決意を込めて言った。
あかりはその言葉に強くうなずいた。
「そうね。私たちの手で未来を創りましょう」
和真は過去の失敗を乗り越え、新たな未来に向けて一歩を踏み出した。