運命の逆回転【掌編小説】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
【場面】 惑星の表面で、ソラとエコーが立っている。
ソラが新しい日を迎え、古代言語でエコーに挨拶を試みる。
(自信満々に)グラボン・シュティク!
(混乱して)申し訳ありません、ソラ。
しかし、あなたは「おはよう」と言うつもりが「私の靴は魚です」と言いました。
えっ、本当に?!どうやら、この言語の勉強は思ったより難しいな。
ソラが再度挑戦する。
じゃあ、これなら?デラボン・フリス!
今度は「空が緑です」になりました。
でも、近づいています!
(笑いながら)この惑星では、靴が魚になり、空が緑になるのか?
(優しく)言葉は難しいかもしれませんが、大切なのはコミュニケーションの試みです。
分かった、分かった。
じゃあ、正しい挨拶は?
「ティラボン・グリーティ」です。
ティラボン・グリーティ、エコー。
完璧です、ソラ。
そして、おはよう。
【幕】