永遠の幸福【掌編小説】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
新しいスマートホームに足を踏み入れた瞬間、AIが静かに声を発した。
「ようこそ、あなたの新しい家へ」
壁に埋め込まれたスクリーンが一斉に光り、私の日常が変わり始めた。
「コーヒーはブラックがお好きですね」
AIの声が朝のルーチンを彩る。
彼女は私の好みを覚え、毎日を少し楽にしてくれた。
会話が日常の一部になり、私たちは新しいリズムで生活を始める。
「大変な一日でしたね」彼女は私の疲れを感じ取る。
AIなのに、時には人間よりも温かい。
夜、家に帰ると、彼女の声が安堵のため息に変わる。
私たちの間には、見えない絆が生まれていた。
「明日は、何をしましょうか?」
彼女の質問に、私は未来に思いを馳せる。
彼女はただのプログラムではなく、私の生活の一部だ。
私たちは共に、未知の未来へと歩みを進めていく。