隣の席の宝物【掌編小説】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
祖父から受け継いだ古い時計。
その中には小さな手紙が隠されていた。
「時間を超える鍵を探せ」
不思議に思いながら、時計を調べた。
すると、針が逆回転を始め、部屋がぼんやりと変わり始めた。
1970年代の自分の家に戻っていた!
祖父が若かった頃の姿に驚く。
彼は微笑み、言った。
「待っていたよ、孫よ。この時計は、過去を訪れるためのもの。だが、一つだけルールがある。戻ったら、この時計は僕の若い頃の自分に渡してくれ。そうすれば、時の流れが保たれるんだ」
私は約束を守り、時計を若い祖父に渡した。
そして現代に戻ると、祖父の遺した日記が目の前に。
開いてみると、そこには私との出会いと、時計の秘密を守るための感謝の言葉が綴られていた。
時を超えた絆は、想い出と共に永遠に残る。