禁断の書と真実の鍵【掌編小説】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
翼(ツバサ)は、静かなる決意を胸に、タイムマシンのスイッチを押した。
彼の目的は、20世紀の暗い影を落としたあの政治的暗殺を阻止すること。
その事件は、世界を揺るがし、数百万の哀歌を生んだ。
時空を逆行する機械は、彼を歴史の闇へと連れて行く。
翼はその瞬間、運命の歯車に手をかけた。
翼は、暗殺が行われる予定の場所に着いた。
街のざわめき、人々の喧騒、そして、歴史の影に潜む暗殺者の気配。
彼は冷静に計画を実行し、暗殺者に近づく。
そして、歴史の流れを変える一撃を放った。暗殺は未遂に終わり、翼は時の流れを変えた。
しかし、翼の行動がもたらしたのは、予期せぬ悲劇の連鎖だった。
暗殺が未遂に終わることで、緊張は一層高まり、新たな紛争が勃発。
その炎は、前の歴史よりも広く、深く世界を焼き尽くした。
翼は理解する。歴史とは、複雑に絡み合った因果の糸。
一つを引けば、思いもよらぬ方向へと流れる。
後悔と共に、翼は再びタイムマシンへと向かう。
彼は、歴史の流れを変えることの危険を知り、自分の選択を受け入れる決意を固めた。
彼は過去をそのままにし、未来への一歩を踏み出す。