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アラスカ・トライアングルは本当に人を消すのか?飛行機まで消えた“北のバミューダ”の正体

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

消えた飛行機は、どこへ行ったのか?

「飛行機が消えました」

管制官は、その報告を聞いて耳を疑いました。

「墜落地点は?」

「分かりません」

「残骸は?」

「何も見つかりません」

飛行機です。

何トンもある金属の塊です。

普通なら、どこかに痕跡が残るはずでした。

山に落ちれば木々が倒れる。
海に落ちれば破片が浮かぶ。
雪原なら上空から見える。

それなのに、何も残らない。

まるで最初から存在しなかったかのようでした。

この奇妙な出来事が、人々の想像を刺激します。

「アラスカには何か秘密があるのではないか?」

いつしか、この地域はこう呼ばれるようになりました。

アラスカ・トライアングル。

北のバミューダ・トライアングルです。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

本当に飛行機は消えたのか?

1972年10月、アメリカ下院議員ヘイル・ボッグズ氏を乗せた小型飛行機が、アラスカ上空で消息を絶ちました。

同行していたのは、アラスカ州選出議員ニック・ベギッチ氏ら3人。
アンカレッジからジュノーへ向かう途中の出来事でした。

飛行中の連絡が途絶えると、すぐに捜索が始まります。

「最後に確認できた場所は?」

「この周辺です」

軍や沿岸警備隊、民間航空機まで動員された大規模な捜索でした。

しかし、何日探しても機体は見つかりません。

墜落した場所も。
残された破片も。
乗っていた人々の手がかりも。

何も発見されませんでした。

この事件から22年前の1950年にも、アラスカでは別の失踪事件が起きています。

アメリカ空軍の輸送機C-54。
乗っていたのは44人でした。

大型の軍用機だったため、墜落していれば発見できると思われました。

ところが、この機体もまた大規模な捜索にもかかわらず姿を消したままでした。

なぜ、これほど大きな飛行機が見つからないのでしょうか?

理由の一つは、アラスカという土地そのものにあります。

日本の約4倍という広大な面積。
道路のない森林。
険しい山岳地帯。
何十年も姿を変え続ける氷河。

アラスカでは、墜落した場所が分からなければ、捜索する範囲は途方もなく広がります。

森の中へ入り込んだ機体は木々に隠れ、雪に覆われた残骸は白い大地と同化します。

人間にとって巨大な飛行機でも、自然の中では見失ってしまうほど小さな存在になってしまうのです。

コンパスは本当に狂うのか?

アラスカ・トライアングルの噂を語るうえで、よく登場するのが「磁場の異常」です。

この地域ではコンパスが狂い、飛行機や船が本来の進路を外れてしまうのではないか?
失踪事件と結びついたことで、そんな話が広まっていきました。

方向を知るための道具が信用できなくなるというのは、未知の土地を進む人間にとって大きな不安になります。

広大な雪原や山岳地帯では、わずかな方向の違いが命取りになるため、「何か普通ではない力が働いているのではないか?」と考えられたのも無理はありません。

しかし、実際にコンパスが謎の力によって狂わされていたわけではありません。

原因となっていたのは、地球そのものが持つ「磁気偏角」という性質でした。

僕たちは普段、地図の上で北を一つの方向として考えています。
しかし、コンパスが示す北は、地図上の北極点と完全に一致しているわけではありません。
地球の磁場の影響によって、わずかなズレが生じているのです。

このズレは場所によって変化し、特に北極に近い地域では大きくなります。

現在の航法では当然のように補正されていますが、昔の探検家にとって、この小さな違いは決して無視できるものではありませんでした。

目印の少ない大地で、最初はほんの少しだった方向のずれが、移動する距離に比例して大きな誤差になります。

気づいたときには、自分がどこにいるのか分からなくなっていることもありました。

アラスカで語られた「方向を失う場所」という印象は、未知の力によって作られたものではありません。

人間がまだ地球の性質を十分に理解していなかった時代、自然の小さな変化が大きな謎として受け取られていたのです。

クシュタカが生まれた理由

アラスカには、先住民の間で語り継がれてきた不思議な存在があります。

その名は、クシュタカ

カワウソのような姿をして、人を惑わせる存在だと伝えられています。
森の中で人の声をまねたり、道に迷った人をさらに奥へ誘ったりすると言われてきました。

なぜ、このような伝承が生まれたのでしょうか?

その背景には、アラスカという土地の厳しい自然があります。

昔の人々にとって、森へ入った人が戻らなくなることは、決して想像の世界だけの話ではありませんでした。

広大な森林の中で道を失い、突然の天候変化に襲われ、視界を奪われれば、わずかな判断の違いが生死を分けることになります。

しかし、どれだけ探しても行方不明になった人が見つからなければ、残された人々には理由を知る方法がありません。

「なぜ帰ってこなかったのか?」

「いったい、どこへ消えたのか?」

答えのない恐怖だけが残ります。

人間は、理解できない出来事に出会うと、そこへ意味や形を与えようとします。
目に見えない恐怖には姿を与え、説明できない出来事には物語を作る。

そうして生まれたものの一つが、クシュタカでした。

クシュタカは、森の奥に本当に潜んでいた怪物ではありません。

人間が巨大な自然の中で感じた不安や恐怖が、一つの存在として語り継がれていったものなのです。

最後に

アラスカの森で、ひとりの人間が道を失います。

周囲には目印になる建物もなく、聞こえるのは風の音だけ。

振り返っても、自分がどこから来たのか分からない。

そんな場所に立ったとき、人は初めて自然の大きさを実感するのかもしれません。

現代では、人工衛星が位置を知らせ、機械が正確な情報を教えてくれます。

それでも、地図の上では小さな点に見える場所が、実際には人間の想像を超える広さを持っていることがあります。

昔の人々は、その理解できない感覚をクシュタカという物語に残しました。

現代の人々は、そこに磁場や未知の現象を想像しました。

もちろん、本当に何が起きていたのかは、すべてが分かっているわけではありません。

ただ、アラスカ・トライアングルの話が長く語り継がれてきた理由を考えると、そこには「何かがいる」という恐怖よりも、「人間にはまだ分からない場所がある」という感覚が残っているように思えます。

もしかすると、人々が探していたものは、森の奥に隠れた怪物ではなく、自分たちの知らない世界そのものだったのかもしれません。

おまけの4コマ

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、無駄雑学などの小噺を発信しています。
どうぞ、ふらりと覗いてみてください。
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