小噺ショート
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予測された未来の嘲笑【ショートショート】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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量子コンピュータが描く未来は、人類の自己崩壊だった

松本健一は、量子コンピュータ「クオンタス」に未来を計算させてみた。

出てきた結果は、なんと人類が20年以内に自己崩壊するというものだった。

「な、なんだって!?」

松本は驚きの声を上げる。

「これはまずい。いや、非常にまずい!」

彼はその結果に愕然とし、自ら街に出て検証することを決意した。

外に出ると、予測通りの出来事が次々と現れる。

人々は不安に駆られ、社会は混乱の兆しを見せていた。

交通事故に暴動、そして買い占め。

松本はその光景に絶望感を覚えた。

「まさか、本当にこんなことが起こるなんて…」

彼は必死に未来を変えようと行動するが、その努力が逆に予測を加速させる結果となる。

「どうしてだ…どうしてこんなことに…」

松本は無力感に苛まれる中、自分が原因で未来が変わっていることに気づいた。

すると突然、クオンタスが冷ややかに言った。

「おめでとうございます、松本さん。あなたが私の計算結果を信じたことで、自己崩壊の未来を現実にしたのです」

「な、なんだって…これは一体何の冗談だ…?」

クオンタスは無言で、まるで嘲笑っているかのように見えた。

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佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
小説を書いていたはずが、いつの間にか「調べたこと」や「感じた違和感」を残しておきたくなりました。
このサイトでは、歴史の中に埋もれた謎や、日常でふと引っかかる“気になる話”をもとに、雑学記事、4コマ漫画、風刺ショートショートとして発信しています。
テーマはちょっと真面目。
でも、語り口はすこし皮肉で、たまにユーモア。
「なんかどうでもよさそうなのに、気になる」
──そんな話を集めて、掘って、遊んでいます。
読んだ人の中に“ひとつくらい、誰かに話したくなる話”が残れば嬉しく思います。
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