小噺ショート
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クローンの倫理【ショートショート】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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自由を得たクローンが問いかける存在の意味とは?

未来の東京。

弁護士の鈴木健一は、自分のクローンであるケンと初めて対面した。

「まさか君が、僕のクローン?」

鈴木は驚きの声を上げた。

ケンは真剣な眼差しで頷いた。

「そうだよ。でも、僕は君の影じゃない。僕自身の権利が欲しいんだ」

ケンは、自分の権利を求めていたが、社会はクローンをただの道具としか見ていなかった。

鈴木はケンのために立ち上がる決意を固めた。

「君の権利を守るために戦うよ」

その言葉に、ケンの目が希望の光を帯びた。

科学者の鈴木真由美が資料を持って駆けつけた。

「これがクローンの存在を証明するデータよ。これで法案を通せるはず」

法廷での戦いは過酷だったが、ついに新しい法案が可決された。

鈴木はケンと固く握手を交わした。

「これで君も自由だ」

ケンは微笑んだが、その目には深い影があった。

「自由って…でも、僕は何者なんだ?」

鈴木はその問いに答えられず、静かに見つめ返した。

自由を得たクローンは、新たな葛藤に直面する。

未来には、まだ答えの見えない問いが待っていた。

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佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
小説を書いていたはずが、いつの間にか「調べたこと」や「感じた違和感」を残しておきたくなりました。
このサイトでは、歴史の中に埋もれた謎や、日常でふと引っかかる“気になる話”をもとに、雑学記事、4コマ漫画、風刺ショートショートとして発信しています。
テーマはちょっと真面目。
でも、語り口はすこし皮肉で、たまにユーモア。
「なんかどうでもよさそうなのに、気になる」
──そんな話を集めて、掘って、遊んでいます。
読んだ人の中に“ひとつくらい、誰かに話したくなる話”が残れば嬉しく思います。
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