永遠の幸福【掌編小説】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
登場人物:
舞台は学校の廊下。
主人公が壁にもたれて落ち込んでいる。
(心配そうに近づき)どうしたの?
元気なさそうだけど
(テストの紙を見せながら)数学、また落ちたんだ…
友達は驚きつつもすぐに笑顔を取り戻す。
大丈夫、僕が教えてあげるよ!
二人は図書室へ。
(説明している)だから、この式をこう変形すると…
(目を輝かせて)あ、これなら分かる!
ありがとう!
(笑って)よかったね!
…ちなみに、これ、来週のテストで出るからね
主人公の顔が凍りつく。
(困惑して)え、来週の…テスト?
(にっこりと)うん、だから今回のテストで落ちたことは、実は良かったのかもね
予習になったわけだし
主人公は苦笑いを浮かべながら、数学の試練が終わることはないと悟る。
(自嘲気味に)数学の道は果てしなく遠いな…
友達は肩を叩きながら、二人は哀愁を帯びた笑いを浮かべる。
【幕】