最後の発明【掌編小説】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
人物:
【教室】
男子生徒は教室の中央に立っている。
女子生徒が近づいてくる。
(にっこりと微笑みながら) おはよう。
今日で最後ね。
(微笑みを返しながら)ああ、今日で最後だね。
毎朝、お前の笑顔が見れて、本当に良かったよ。
(少し寂しそうに) 私も…あなたの隣で毎日笑えたこと、忘れない。
あなたの隣で笑えた日々が、私の宝物です。
(驚きと感動で) えっ、そうだったのか?
俺も、お前の笑顔が毎日の力になってた。
ありがとう。
(切ない笑顔で) 別れは突然だけど、この想い出は永遠に続くよね。
(強くうなずいて) ああ、永遠にな。
距離は離れても、心はいつも一緒だ。
(手を振りながら後ずさる) じゃあね、またいつか、どこかで。
(手を振り返しながら) じゃあな、絶対に忘れないから。
女子生徒が教室から出て行く。
男子生徒はしばらくその場に立ち尽くしてから、深呼吸をして教室を後にする。
【幕】