運命の逆回転【掌編小説】
佐藤直哉(Naoya sato-)
コヨーテの小噺
登場人物:
(ミユがベッドに横たわり、目を閉じる。突然、部屋の雰囲気が変わり、カズが現れる。)
(驚きつつも嬉しそうに)カズ、また会えたね。
(優しく微笑みながら)ああ、ミユ。
毎夜、お前の夢の中で会えることが、僕の唯一の慰めだよ。
でも、朝になると、あなたの写真がいつもより古く見えるの。
まるで、時が加速しているみたい。
恋は時を超える、ミユ。
僕たちの時間はもう同じじゃない。
でも、夢の中でなら、いつでも会える。
(涙ぐみながら)あなたはもうこの世にいない。
でも、夢の中で逢えるたび、あなたがまだここにいるような気がする。
僕たちの愛は、この世のものだけじゃないんだ。
記憶と夢の中で、僕は生き続ける。
(微笑みながら)それじゃあ、毎夜、あなたに逢いに行くわ。
夢の中で。
(愛情を込めて)待ってるよ、ミユ。
どんなに時が流れても、僕たちはまた出会える。
(二人は互いを見つめ合い、夢の中の時間が静かに流れる。やがて、ミユの目がゆっくり開き、現実の朝が訪れる。)
幕