実は快適?中世ヨーロッパのベッドと睡眠のリアル

佐藤直哉(Naoya sato-)
<景品表示法に基づく表記>当サイトのコンテンツ内には商品プロモーションを含みます。

はじめに

中世ヨーロッパの睡眠=「藁で雑魚寝」は本当?

中世ヨーロッパの睡眠と聞くと、こういう絵が浮かびます。

藁。
雑魚寝。
寒い。

この三点セット。

だいたい合ってそうではあります。

藁はある。
寒い日もある。

でもそれだけで説明すると、ハンバーガーを「パン」って言ってるようなものです。

中身どこいった。

実際の中身は

羽毛布団。
毛皮。
カーテン付きベッド。

それもう普通に暖かいやつ。

じゃあ問題はなんだったのか?

寝心地じゃない。

「隣に知らない人がいる」

そこです。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

あわせて読みたい
優雅な城の裏側:中世ヨーロッパのトイレ事情が想像以上に過酷だった話
優雅な城の裏側:中世ヨーロッパのトイレ事情が想像以上に過酷だった話

実は“重ね着スタイル”だった寝具の世界

ベッドというものは一体型の家具ではありません。

分解するとこうなります。

木の台

マットレス(藁 or 羽毛)

シーツ

毛布

上掛け

寝具の重ね着です。

寒い → 足す
暑い → 減らす

とても分かりやすい。

エアコンはないけど、調整機能はある。

むしろ手動の方が直感的です。

重要なのはここ。

ベッドの価値=中身

フレームじゃない。
中に何を積んでるか。

見た目よりスペック重視。

スマホと同じ評価基準です。

なぜカーテン付きベッド?

中世ヨーロッパの防寒&プライバシー事情

カーテン付きベッドは装飾ではありません。

生存装置です。

当時の家は断熱性能がほぼありません。
ほぼ外気と同じです。

そこでどうするか。

囲う。

空気を閉じ込める。

これで内部だけ暖かくなる。

さらに問題がもう一つ。

同じ部屋に人がいる。

普通にいる。
距離も近い。

つまりカーテンの役割は

暖房

目隠し

布一枚で「自分の空間」を確保する仕組みだったのです。

中世ヨーロッパの貴族のベッドはどれくらい快適?

貴族の寝室は別世界です。

カーテン付きベッド。
羽毛布団。
毛皮。
白いシーツ。
暖炉。

もう十分です。
完全に暖かい。

しかもサービス付き。

帰宅すると

足を洗う
服を着替える
温かいベッドへ

流れがスムーズすぎる。

さらにナイトキャップまで装備。

寝るための帽子。

そこまで準備するのか、と言いたくなる。

この環境、誰でも使えるのか。

使えません。

答えは単純。

金持ちだけです。

時代が違ってもここは変わりません。

なぜ一緒に寝るのが普通?密な睡眠の事情

貴族は個人で良い睡眠環境をもらえます。
では庶民の睡眠はどうだったのでしょうか?

答え→集まります。

理由は分かりやすい。

寒い
危ない
暗い

暖房が弱い → 集まる

夜が危険 → 集まる

視界がない → 集まる

結果。

密。

非常に密。

現代なら注意されるレベルですが、当時は合理的な選択です。

中世ヨーロッパの庶民の睡眠は雑魚寝?

■“みんなで寝る生活”だった

庶民の夜。

一部屋に全員。

家族。
子ども。
使用人。
客。

客も入るのか。

入ります。

普通に寝ます。

カンタベリー物語(中世イングランドの巡礼者たちが道中で語る物語集。庶民から聖職者まで幅広い人々の生活が描かれる)でも、同じ部屋で寝る様子が描かれています。

しかも静かではありません。

いびき。
会話。
赤ちゃん。
移動。

環境としては落ち着かない。

現代のような「静かな個室」はほぼ存在しません。

この時代では、睡眠は完全に個人のものではなく、共有される時間でした。

中世ヨーロッパの夜はなぜ怖い?

■暗闇・犯罪・宗教的恐怖

中世ヨーロッパの夜は暗い。

本当に暗い。

照明はほとんどなく、視界は極端に悪い。

そこに加えて

犯罪のリスク

火災のリスク

さらに

宗教的な恐怖(悪魔や霊の存在)

安心できる要素が少ない。

この状況では、一人で過ごすより複数人でいる方が安全と考えるのではないでしょうか。

修道院の睡眠ルールが厳しすぎる:“寝るのも規律”

修道院、ここだけ別ゲームです。

聖ベネディクトゥス会則(6世紀に定められた修道士の生活ルール集。祈り・労働・睡眠まで細かく規定する)で、生活ぜんぶがガチ管理。

もちろん睡眠も例外なし。

同室で就寝
夜中に起床
祈祷
服のまま寝る

パジャマ?ありません。

寝る → 起こされる → 祈る → また寝る

…それ、睡眠というより“定期イベント”

現代で言うと
「深夜に全員集合してミーティング」

毎日です。

ぐっすり?

それは別の宗派です。

中世ヨーロッパの“分割睡眠説”のリアル

夜中に起きる?

起きます。普通に。

理由。
祈る。
喋る。
見回る。
(あと誰かがうるさい)

なので

第一睡眠 → 起きる → 第二睡眠

という“二部構成”が語られます。

ただし全員がそうだったかは、まだグレー。

でも一つだけ確実。

「一回寝たら朝まで無音でぐっすり」

そんな良い環境はありませんでした。

当時の寝室は寝るだけじゃない:生活の中心だった

寝室。

名前にだまされますが、ここ“寝る専用”じゃありません。

むしろ多機能すぎます。

寝る
話す
接客する
食べる(※やる人はやる)
家族で過ごす
たまにゴタゴタも発生

…それ、もうリビングです。

「じゃあリビングはどこ?」

ありません。

全部ここです。

だから何が起きるか。

寝たい人と
喋りたい人と
来客対応したい人が
同時に存在します。

静かに寝たい?

その願い、ちょっと時代を先取りしすぎです。

現代の感覚だと

“寝室=プライベート空間”

ですが

中世は

“寝室=みんなの空間(たまたまベッドがあるだけ)”

この違い。

だからカーテンで囲うんです。

「ここだけは俺の領域」っていう

最後の砦。

布一枚でパーソナルスペースを守る時代。

強い。

最後に

意外と快適、でもプライバシーは少ない

中世ヨーロッパの睡眠は単純ではありません。

ベッドは層構造で工夫され、環境によっては普通に暖かい。
むしろ「思ったよりちゃんとしてるな」となるレベルです。

ただし。

横を見てください。

誰かいます。

しかも知ってる人とは限りません。

さらに音もします。

いびき。
会話。
赤ちゃん。

落ち着く要素がどこにもない。

つまりこうです。

「寝心地はいい。でも環境が落ち着かない」

このバランス。

これが中世のリアルです。

そして最後にひとつ。

今、静かな部屋で
一人で
誰にも邪魔されず
ぐっすり眠れているなら

それはもう

貴族です。

あわせて読みたい
暖炉の前だけ天国だった中世ヨーロッパ―大広間の中央で普通に火を焚く時代
暖炉の前だけ天国だった中世ヨーロッパ―大広間の中央で普通に火を焚く時代
ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、小噺を発信しています。
このブログでは、
●明日誰かに話したくなる小ネタ
●創作に使える背景設定やアイデアの「ヒント」
●普段の視点が少し変わる“発見”
などを気軽に受け取っていただけます。
どうぞ、ふらりと覗いてみてください。
記事URLをコピーしました