小噺ショート
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逆転の未来【掌編小説】

佐藤直哉(Naoya sato-)
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空は青く、風はやさしく吹いていた。
しかし、私の心はどんよりとした曇り空のようだった。

未来を変えるため、私は過去へと旅立った。

目的は一つ、祖父を助けること。

彼の過ちを正し、私の家族に幸せな未来をもたらすためだ。

祖父との出会いは偶然だった。

彼は若く、希望に満ち溢れていた。

私は彼を見守り、彼の選択を導く影となった。

時には助言をし、時には励まし、彼の人生を良い方向に導いた。

しかし、私が見逃していたものがあった。

祖父の選択が変われば、私の存在も変わる。

彼が正しい道を歩むにつれて、私の存在は徐々に薄れていった。

最後に残された時間、私は祖父に真実を告げた。

「あなたの孫です。あなたを救うために、過去へ来ました」

祖父は驚いた表情をしたが、すぐに柔和な笑顔に変わった。

「ありがとう。でも、私は幸せだ。あなたのおかげで」

私の存在が薄れる中、私は微笑んだ。

祖父の幸せな未来を創った。それが私の願いだった。

そして、私は消えた。

空は依然として青く、風はやさしく吹いていた。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
小説を書いていたはずが、いつの間にか「調べたこと」や「感じた違和感」を残しておきたくなりました。
このサイトでは、歴史の中に埋もれた謎や、日常でふと引っかかる“気になる話”をもとに、雑学記事、4コマ漫画、風刺ショートショートとして発信しています。
テーマはちょっと真面目。
でも、語り口はすこし皮肉で、たまにユーモア。
「なんかどうでもよさそうなのに、気になる」
──そんな話を集めて、掘って、遊んでいます。
読んだ人の中に“ひとつくらい、誰かに話したくなる話”が残れば嬉しく思います。
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