中世ヨーロッパの拷問って本当にあったの?→実は“毎日じゃないけど普通にあった制度”でした
はじめに

中世ヨーロッパと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはこれです。
地下牢。
鎖。
そして――
ムチをバシンと振り下ろしながら、
「言えぇぇぇ!!!」
だいたいこの三点セット。
でも、ここで一度落ち着きましょう。
それ、ちょっと盛られてます。
結論から言います。
拷問は本当にありました。
ただし、あなたが想像している世界はたぶんこうです。
- 朝起きて拷問
- 昼ごはんのあとに拷問
- 寝る前にも拷問
そんな「拷問三食付き生活」ではありません。
実際の拷問は
必要なときにだけ使われる、制度の一部
でした。
イメージとしては
日常ではなくイベント
です。
しかも期間限定イベント。
参加したくはないタイプのやつです。
※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

最初は神頼み裁判

では最初から拷問があったのかというと、そうでもありません。
中世の前半、人々はもっとシンプルな方法を使っていました。
答えはこれです。
神に聞く。
はい。
責任放棄ではありません。
信仰です。
例えばこんな裁判。
熱した鉄を持たせる
↓
傷が軽ければ無罪
いやいやいや。
それ回復力の問題では?
完全に
神様ガチャ裁判
です。
当たれば無罪。
外れたら有罪。
SSR:無傷
N:重傷
そんなノリです。
さすがに人々も思い始めます。
「これ、ちょっと運ゲーすぎない?」
拷問が必要になる理由

そこで登場するのが新ルール。
自白がすべて。
「本人がやったって言えばOK」
分かりやすい。
シンプル。
運ゲーよりはマシ。
……のはずでした。
ここで問題が起きます。
犯人がこう言ったらどうなるか。
「やってません」
当然、誤魔化そうとする人もいれば、本当にやっていない人もいる。
証拠は弱い。
目撃者もいない。
つまり
証明できない。
でも放置もできない。
ではどうするか。
ここで発想が変わります。
証明できないなら、言わせればいい。
そして人類、静かに危険な方向へ舵を切ります。
拷問の正体と中身

はい、出ました。
拷問です。
では改めて定義します。
拷問とは何か。
しゃべらない人をしゃべらせる装置
です。
すごく分かりやすい。
そしてすごく怖い。
やっていることも意外とシンプルです。
- 吊り上げる → 人間ヨーヨー
- 締めつける → 人間プレス機
- 水を使う → 極端すぎる風呂
まとめると
とにかく痛くする
以上です。(文字にすると以外に書くことが無い)
そして結果。
しゃべります。
ここまでは成功です。
問題はここから。
それが
正しいかどうかは別問題
という点です。
想像してみてください。
めちゃくちゃ痛い状態で聞かれます。
「やったのか?」
↓
「やりました!!!!」
やってなくても言います。
人間ですから。
つまり拷問とは
真実発見装置ではなく
とりあえず何か言わせる装置
です。
精度?
知りません。
実はそんなに多用されない

ここで意外な事実。
拷問は
毎回フルで実行されていたわけではありません。
むしろ多かったのはこのパターン。
拷問器具を見せる
↓
「言わないとこれ使うけど?」
↓
「言います」
終了。
早い。
とても話が早い。
つまり
見せるだけで勝つゲーム
です。
効率がいい。
コスパがいい。
やられる側は最悪ですが。
さらに異端審問も、イメージほど派手ではありません。
実際の業務は
- 尋問
- 記録
- 判定
という、非常に地味な作業。
つまり
基本は役所
ただし条件が揃うと
急に地獄モード突入
という、感情の起伏が激しい職場です。
ヨーロッパは統一じゃない

最後にこれ。
超重要です。
「中世ヨーロッパ」と一括りにしがちですが、
実はバラバラです。
例えば
大陸ヨーロッパ
→ 自白重視 → 拷問あり
イングランド
→ 証拠重視 → 拷問ほぼなし
つまり
同じ時代なのに地域によってルールが違う
完全に別のゲームです。
サーバーが違う。
さらにもう一つ。
よく見るあの拷問器具。
トゲ付きの箱(鉄の処女アイアンメイデン)。
あれ、どう思います?
いかにも中世っぽいですよね。
でも実は
中世じゃない可能性があるのです。
というのも、この「鉄の処女」は18〜19世紀ごろの展示用・見世物として広まったとされる説が強く、
しかも中のトゲも「一発で即死」ではなく、
致命傷を避けつつ痛みだけ与える配置になっていると言われます。
つまり用途としては
長く苦しませるための“演出寄り装置”
の可能性が高い。
中世のリアルな拷問というより、
後世が考えた“中世っぽい最強アイテム”
に近いわけです。
つまり現在のイメージは
中世の現実
+
後世の「盛り」
でできています。
盛りすぎです。
最後に

中世ヨーロッパで拷問はあったのか?
答えはシンプルです。
あった。
ただし、ここまで見てきた通り
- 毎日やっていたわけではない
- 誰にでも使われたわけでもない
- 地域によってルールが違う
- 今のイメージはかなり盛られている
というのが実際の姿です。
つまり中世の拷問とは
いつでも使う標準装備ではなく
必要なときだけ出てくる危険な切り札
のようなものです。
そしてもう一つ大事なこと。
拷問という仕組みそのものは、
特別に「中世が野蛮だったから」生まれたわけではありません。
「どうやって相手にしゃべらせるか」
という、とてもシンプルで、そして厄介な問題に対する答えの一つでした。
現代になって技術は進歩しました。
でもこの問題そのものは、
今も完全には解決していないのかもしれません。


