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なぜ毎回同じ階段でつまずくの?実は「足」ではなく「脳」がだまされているのかもしれません

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

「またここだ……」同じ段でつまずく不思議

「またここだ……」

駅の階段。
会社の階段。
自宅の階段。

なぜか決まって同じ場所でつまずいてしまうことはありませんか?

一度だけなら「今日は疲れているのかな?」で済みます。
けれど、何度も同じ段で足が引っ掛かると、少し気味が悪くなります。

「運動不足かな?」

「年齢のせいかな?」

「足が上がっていないのかな?」

そう考えてしまう人も多いでしょう。

もちろん、筋力や体力が関係する場合もあります。
しかし、それだけでは説明できないこともあります。

実は僕たちは、階段を一段ずつきちんと確認して歩いているようで、途中から脳が「次も同じ高さだろう」と予測しながら歩いています。

その予測が少し外れたとき、足は思った場所へ届かず、つまずいてしまうのです。

同じ階段でつまずく原因は、足ではなく「脳の予測」にあるのかもしれません。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

脳は階段を毎回チェックしていない

階段を上り始めるとき、多くの人は最初の数段を見ています。

しかし、その後も一段ずつ丁寧に確認しているわけではありません

脳は最初に見た情報から、

「この階段は全部同じ高さだ」

と判断します。

そして、その先は予測を使って歩き始めます。

これは手抜きではありません。

むしろ、効率よく行動するための優れた仕組みです。

毎日使う財布を開くたびに、カードの位置を一枚ずつ確認する人はあまりいません。

「だいたいここにある」と分かっているから、自然に手が動きます。

階段でも同じです。

脳は「毎回確認しなくても大丈夫」と考えて、処理を省略しているのです。

優秀なのか、少し面倒くさがりなのか、判断に迷うところです。

ただし、この仕組みには弱点があります。

予測と現実が少しでもズレると、そのズレはそのまま足の動きに出ます。

ポイント

脳は階段を毎段確認していない
最初の数段から高さを予測している
予測が外れると、足の動きもズレる

見ているようで、見えていない。

たった6ミリでも足は引っ掛かる

「数ミリくらいなら気付くでしょう」

そう思うかもしれません。

ところが研究では、わずか6ミリ程度の段差の違いでも、歩き方が乱れ、転倒リスクが高まることが報告されています。

6ミリといえば、ボールペンの太さくらいしかありません。

目で見ても、ほとんど気付かないくらいの小さな差です。

しかし脳は「いつもの高さだ」と思って足を上げます。

その結果、実際の段差との差が生まれ、足先が段へ引っ掛かってしまうのです。

つまり、人は大きな段差だけで転ぶわけではありません。

「予想していた高さ」「実際の高さ」がズレたときに転ぶのです。

ほんの6ミリで世界が変わるとは、人間は意外と繊細です。

転倒の原因は、大きな危険ではなく、小さなズレであることもあります。

つまずきやすくなる小さなズレ

一段だけ高さが微妙に違う
段の奥行きが少し違う
光や影で段差が分かりにくい
段の端が見えにくい
いつもと歩くリズムが変わる

小さいけれど、侮れない。

階段の「黄色いライン」は、脳を助ける目印だった

駅や公共施設の階段を見ると、各段の先端に黄色いラインや黄色い滑り止めが付いていることがあります。

※ホームにある黄色い点字ブロックとは別のものです。

「あれは滑り止めでしょう」

そう思っている人も多いはずです。
もちろん、それも大切な役割です。

しかし、本当の役割はそれだけではありません

あの黄色いラインは、脳が段差の境界を正しく認識しやすくするための目印でもあります。

人間は段の端がはっきり見えると、無意識のうちに足を少し高く上げることが分かっています。

さらに海外では、階段の段鼻にコントラストの強い模様を付けることで、歩き方が変わり、転倒事故が減ったという研究もあります。

つまり、歩き方を変えているのは筋力だけではありません。

「見え方」も、足の動きを変えているのです。

人は足で歩いているようで、実は目にも案内されています。

階段先端の黄色いラインの役割

段の境界を見分けやすくする
足を上げるタイミングを助ける
脳の予測ミスを減らす
転倒リスクを下げる

毎日見慣れた黄色いラインは、ただ色を塗っただけではありません。
人間の脳のクセを理解した、安全のための工夫だったのです。

見えている景色には、理由がある。

同じ場所でつまずくときに見直したいこと

同じ階段で何度もつまずくなら、原因は自分の足だけとは限りません。

その場所に、脳の予測を狂わせる要素があるかもしれません。

たとえば、段差そのものはほとんど同じでも、影の入り方が違うだけで段の境界が分かりにくくなることがあります。

また、床の色や模様が似ていると、段の端がぼやけて見えることもあります。

人が多い場所なら、足元への注意がそれることもあるでしょう。

階段は、ただの段差ではありません。
光、色、音、人の流れ、歩くリズム。
そうした要素が重なって、つまずきやすさが生まれます。

確認したいポイント

その段だけ暗くなっていないか?
段の端が見えにくくないか?
滑り止めが摩耗していないか?
床の模様で段差が分かりにくくないか?
急いでいるときだけつまずいていないか?

「自分が鈍い」と決めつける前に、階段側を観察してみるのも大切です。

原因は、足元だけにあるとは限らない。

最後に

何気ない一段にも理由がある

階段で何度も同じ場所につまずくと、自分の運動神経や年齢を疑ってしまいます。

けれど、その原因は必ずしも自分だけにあるわけではありません。

人間の脳は、毎日を効率よく過ごすために「次も同じだろう」と予測しながら行動しています。

その仕組みがあるからこそ、僕たちは考え込まなくても歩き、運転し、生活できます。

しかし、その予測は完璧ではありません

ほんの数ミリの違い。
少しの影。
段の端の見えにくさ。

それだけでも、脳の予測は簡単に裏切られてしまいます。

そう考えると、駅の黄色いラインや滑り止め、均一に作られた段差には、一つひとつ意味があることが分かります。

明日もきっと、僕たちは何気なく階段を上り下りするでしょう。

けれど今日知ったことを思い出せば、いつも通っているその一段も、人間の脳のクセを理解した数え切れない工夫の積み重ねだったことに気付くかもしれません。

おまけの4コマ

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、無駄雑学などの小噺を発信しています。
どうぞ、ふらりと覗いてみてください。
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