飢餓・身代金・略奪…中世ヨーロッパ戦争のリアルな危険まとめ

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

中世の戦争と聞くと、こう思いませんか?

騎士が馬でドーン、名誉でバーン、負けても

「では捕虜で失礼します」

みたいな、わりと紳士的な世界。

――ロマン、ありますよね。

ところが現実はどうかというと、

戦場で倒れる → 終わり
捕虜になる → 場合によって終わり
生き残る → ここから地獄スタート

どのルートを選んでも安心できません。

中世の戦争は、「戦ってる最中だけ危険」ではなく、
むしろその前後まで全部危険なフルコースでした。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

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一度転んだらそのまま退場の世界

戦場なので危険です。
これはもう前提です。

斬られる、刺される、馬に踏まれる。
ここまでは「そりゃそうだ」で納得できます。

問題はその先です。

もし戦場で倒れたらどうなるのか。

「誰かが助けてくれるのでは?」
「せめて安全な場所に運ばれるのでは?」

そう思いますよね。

でも現実は、かなりあっさりしています。

倒れたら、そのまま処理されます。

敵から見るとこうです。

まだ動いている相手 → 危険だから優先的に攻撃
倒れて動かない相手 → 今のうちに確実に片付ける

どちらにしても、優先順位が下がることはありません。

しかも周りの味方も余裕がありません。
自分が生き残るので精一杯です。

つまり、

倒れた瞬間に「守られる側」ではなく「処理される側」に回るわけです。

例えるなら、

全力で走っている集団の中で、ひとりだけ転んだ状態です。
止まって助けてもらえる空気ではなく、むしろ踏み越えられていく。

しかもその「踏み越え」が、避けるのではなく攻撃となって襲ってくるのです。

ほんの一瞬のミスで、立場が完全に逆転する。

これが中世の戦場でした。

「降伏=安心」と思った自分を疑う瞬間

降伏すれば助かる。
そう思いたくなりますよね。
正直、自分もそう思います。

武器を捨てる
手を上げる
もう戦いませんと意思表示する

ここまでやってダメなら、どうすればいいのかと。

ところが現実は、ここからが少しややこしい。

まず、捕虜には価値があります。
特に貴族。

身柄を押さえる
家に連絡する
お金をもらう

流れとしては、とても合理的です。
「なるほど、これは助かるな」と思います。

ここで一安心したくなりますよね。

でも状況が変わります。

敵が押してくる
移動しないといけない
捕虜を連れていく余裕がない

このあたりから空気が変わります。

さっきまで
「丁重に扱おう」だった人が

だんだん
「どうする?」になり

最終的に
「ここで済ませておくか」になる

判断が静かに切り替わります。

つまり、

助かる可能性はある
ただし前提が崩れると一気に消える

この状態です。

安心できるかと言われると、少し考え込みますよね。

降伏は「終わり」ではなく、
状況次第で結果が変わる途中段階でした。

戦わないのに負ける、という一番いやな戦い

戦争といえば、正面からぶつかるイメージがありますよね。
ドーンと突撃して、バーンと決着、みたいな。

でも現実は、もっと地味で、そして性格が悪いです。

やることはこれだけです。

囲む(城や都市を囲む)
待つ(外から何も入らないようにする)
まだ待つ
とにかく待つ

そして最後に、

相手が勝手に弱るのを待つ

これで終わりです。

中にいる側はどうなるか。

食べ物は減る
水は減る
体力は減る

毎日ちょっとずつ、確実に減っていきます。

「今日は大丈夫」
「明日もなんとかなる」
「いや、そろそろまずい」

この繰り返しです。

しかも外に出られません。
買い物もできません。
冷蔵庫どころか、水道すら止まっています。

自分だったら三日目くらいで真顔になります。

そして気づきます。

これ、戦ってないのに負けてる

剣も振っていないし、矢も飛んでこない。
なのに状況だけが一方的に悪くなる。

派手さはないのに、じわじわ効いてくる。
中世の戦争、やり方が静かにえげつないです。

戦場に着いた時点でだいたい疲れてます

遠征って聞くと、「移動してから戦う」って思いますよね。
準備して、現地で元気に戦うやつです。

現実はこうです。

朝から歩く
昼も歩く
装備は重い
休憩は短い

そして思います。

「ちょっと座りたい」

でも進みます。

寒い
お腹が空く
足がだるい

ここでさらに問題が追加されます。

食料が足りない
値段が上がる
買えない

結果どうなるか。

食べてない
でも歩く
それでも歩く

そして言われます。

「はい、ここから戦闘です」

いや待ってほしい。

こちらとしては、

体は重い
頭はぼんやり
集中力はどこかへ消えている

正直、戦う前に休ませてほしい状態です。

でも戦います。

つまり中世の戦争は、

準備万端で挑むものではなく、
すでに消耗した状態から始まるものでした。

スタート地点が元気な状態ではなく、
「もう帰りたい」と思い始めたあたりです。

そこからが本番なのです。

「自分は関係ない」が一番あぶない立場です

戦争って、こう思いませんか。

「戦うのは兵士で、自分は関係ない」

家にいれば大丈夫。
少なくとも戦場よりは安全だろう、と。

でも現実は違います。

町が落ちると、まずこうなります。

捕まる
お金を払えと言われる

ここで分かれます。

払える人 → その場は助かる
払えない人 → 町の外に追い出される

この「追い出される」が問題です。

どういうことか。

城壁の中から出される

自分の家に戻れない

財産も置いたまま

つまり、

住む場所も、持ち物も、一度に失うことになります。

さらに「その外」はどういう場所か。

屋根がない
食べ物がない
守ってくれる人もいない

しかも周囲は戦争中です。

ここでやっと見えてきます。

戦っていない
武器も持っていない
でも一番不安定な状態に置かれる

「関係ない」と思っていた人ほど、
いきなり生活の土台ごと失う。

中世の戦争は、前線から離れていれば安全、という話ではありませんでした。

最後に

「戦場が一番危ない」

そう思いますよね。
とりあえずそこを避ければ、なんとかなるだろうと。

でも実際はこうです。

戦えば危ない。
捕虜になっても安心できない。
城に逃げても飢える。
外にいても遠征の消耗からは逃げられない。
しかも、戦っていない住民まで巻き込まれる。

ここまで来ると、こう思いたくなります。
「では、いったいどこにいれば安全だったのか」と。

戦場は危険です。
けれど、戦場を離れたからといって安心できるわけでもありませんでした。

中世の戦争とは、剣や槍が届く場所だけの出来事ではなく、
その外側にいる人の暮らしまで、じわじわ壊していくものだったのです。

もし自分がそんな時代にいたら、
どこにいれば「まだましだ」と言えたのか。
そう考え始めた時点で、もうこの時代の戦争の厳しさは十分伝わっている気がします。

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