剣より帳簿、突撃より当番? 中世騎士のリアルな日常業務

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

映画の騎士。

だいたい突撃してる。

槍を構えてドーン。

砂ぼこりブワー。

かっこいい。

…ずっとそれやってると思うじゃないですか?

ところがどっこい。

現実の騎士。

門にいる。

城の入口。

そこで立ってる。

交代制で。

「え、これが騎士の勤務姿?」

思ってたのと違う。

突撃どこいった。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

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城で立つ人

1215年。

マグナ・カルタ(王の勝手を制限した有名な約束文書)。

ここに普通に書いてあったりします。

『騎士は城の警備をやる義務あり』

つまり。

戦争だけじゃない。

平日。

普通に当番。

しかもこれ、サボれない。

「金払うから行かない」はできるけど

「本人が行くって言ってるのに金で済ませろ」という指示はダメ。

つまり。

ちゃんと来い(来させろ)。

とにかく本人が来る前提。

想像してほしい。

フル装備。

重い鎧。

夏でも立つ。

門の横。

ずっと。

完全に高級警備員。

RPGでいうと固定NPC。

ずっと同じ場所。

ずっと同じ仕事。

思ったより過酷。

主君の後ろにずっといる人

騎士。

馬に乗る。

かっこいい。

でも。

戦場だけじゃない。

主君の横。

後ろ。

移動中ずっと一緒です。

そしてこれも仕事。

護衛。

エスコート。

今でいうSP。

違うのは。

全員フル装甲。

金属。

ガチャガチャ音がします。

しかも近い。

めちゃくちゃ近い。

腕を伸ばしたら当たる距離。

安心感はある。

でも圧もあります。

館の空気を守る人

13世紀。

やかたにはルールがあります。

食事の席は完全に決まっていて、偉い人ほど上座。

身分が低いほど端や下座。

どう振る舞うか?

どんな服を着るか?

実は全部決まっています。

そして、それを見てる人がいる。

それが騎士。

戦う場所ではありません。

チェックしています。

「そこ違う」

「順番守って」

「その態度やめて」

こんなことを言う側。

つまり。

ここでは戦士じゃなくて 館の運営スタッフ。

そう接客。

秩序管理。

家の評判を守る役。

現代でいうと 店長とかマネージャーです。

剣よりお金が動く

騎士の義務。

「戦争のときに来い」

と、呼ばれたら行きます。

最大でだいたい40日。

ここがポイント。

毎年40日じゃないのです。

呼ばれたときだけ。

そのとき約40日間だけ働く。

イメージはこう。

王「戦争する。来て」

騎士「了解」

ここまでは普通。

問題はその後。

行かないという選択があります。

その代わりに「お金」を払います。

お金。

これがスキュテージ(軍役の代わりの金)と呼ばれるものです。

つまり

「呼ばれたから行く」「呼ばれたけど金を払って免除してもらう」

どっちかを選べます。

そして、払われたお金ですが。

王が使います。

兵を雇う。

装備を用意する。

そうすることで、別の誰かが戦う。

つまり。

騎士が行かない代わりに 別の兵士に行ってもらう。

戦争自体は止まりません。

騎士。

自分で戦う人でもあり。

お金で戦争を動かす人でもある。

急に経理のにおいがします。

だいたい地方のエラい人

ある騎士。

王から命令が来る。

「兵を集めろ」

人を集める。

装備を整える。

出発準備。

翌年。

今度は別の仕事。

「怪しい武装集団を調べろ」

現地に行く。

誰が何をしてるか確認。

取り締まる。

つまり。

戦うだけじゃない。

命令を受けて
人を動かし
問題を調べて
現場をまとめる。

地域の責任者。

今でいうと
警察+行政+現場リーダー。

全部まとめてやる人。

会議にもいる人

議会。

各地域から代表が呼ばれます。

その代表の中に騎士がいる。

ここでやること。

それは戦闘ではありません。

だいたい話し合いです。

内容はこれ。

税。

王が言う。

「お金が必要だから税を上げたい」

騎士が答える。

「いや、それは負担が重い」

ここで終わりません。

条件を出す。

交渉する。

納得したら同意。

やっと成立。

つまり。

騎士は自分の地域の代わりに発言する人でもあるのです。

お金の決定に関わる人。

さっきまで門に立ってた人が
今は税の交渉をしている。

仕事多い。

なんでずっと突撃してると思ってた?

理由はシンプル。

戦争は目立つから。

物語はそこだけ切り取る。

槍ドーン。

勝った負けた。

ここは映える。

でもその裏。

ほとんどは地味な仕事です。

門で警備。

移動で護衛。

館の管理。

議会で会議。

そして一日が終わる。

戦争はたまに来るイベント。

普段は通常業務。

つまり。

目に入るのは戦い。

でも実際は
「今日は警備、明日は会議、あさっては護衛」

カレンダーが完全に社会人。

比率がひっくり返ってる。

最後に

騎士が剣を振るう。

それは確かにありました。

でも。

それは一部。

残りはどうだったのでしょうか?

門に立つ。

主君の後ろに付く。

館の空気を整える。

お金の話をする。

人を集める。

問題を調べる。

会議で発言する。

気づく。

これ。

ほぼ全部「戦いじゃありません」

戦場よりむしろ日常業務のほうが長い。

そして。

その日常業務で 城も、領地も、国も回っている。
そのため、どれもサボれません。

剣による戦闘は目立ちます。

でも。

社会を動かしてるのはそっちじゃない。

門と、帳簿と、会議。

ここで全部決まっています。

だから。

騎士。

ただの戦士じゃありません。

むしろ。

武装した管理職です。

それでもまだ。

騎士って聞いて

突撃シーンが浮かびますか?

それとも。

会議と当番に追われてる姿が浮かびますか?

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佐藤直哉(Naoya sato-)
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