ミネラルウォーターは本当に“いい水”なのか?水道水とは違うの?
はじめに

コンビニの飲料棚の前で、
「水ってどれも透明なのに、なんでこんなに種類あるの?」
と一瞬フリーズしてしまう
——そんな経験、ありませんか?
“安い水を買うだけ”のつもりが、棚にズラッと並ぶラベルを眺めているうちに、突然クイズ番組が始まったかのような気分になるあの瞬間です。
しかもよく見ると、どれも似た顔をしているのに肩書きだけは妙に立派。
「ナチュラルミネラルウォーター」
「ミネラルウォーター」
「ボトルドウォーター」
…。
「いや、全部“いい感じの水”でしょ? 呼び名が違うだけで。」
——と、昔の私はそこで思考停止しておりました(今も一瞬する)。

ですが、水の世界、実は思っているより奥が深いのです。
控えめに言って“水のクセにドラマが多い”。
そこで、肩の力を抜きながらこんな疑問をほぐしていきます:
- そもそもミネラルウォーターって何者?
- 水道水とどこが違う?
- 「ナチュラル」って、本当に“自然のまま”なの?
- 味の違いって科学的に説明できるの?
難しい話も、口当たりよくスルッと飲めるように
——法律から味覚の仕組みまで、おいしく読み進められるように整えていきます。
※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。
2025年11月執筆時の情報を元に執筆されています。
「ミネラルウォーター」は原料”水だけジュース”

まず一番大事な前提から。
法律の世界では、ミネラルウォーターは
「水のみを原料とする清涼飲料水」
と定義されています。
つまり、コーラやスポーツドリンクと同じ“清涼飲料水”カテゴリの一員。
いわば 「味のついていないジュース」 みたいな立ち位置です。

ここでポイントなのは、
- 「水道水」=インフラ(水道法の世界)
- 「ミネラルウォーター」=飲み物(食品衛生法の世界)
と、そもそも管轄する法律からして違う、ということ。
水道水はライフライン、
ミネラルウォーターは商品。
この前提を頭の片隅に置いておくと、話がスッと入ります。
実はめちゃ細かい「ミネラルウォーター類」4兄弟

ペットボトルのラベルをよく見ると、
品名のところにこんな言葉が書いてあったりします。
- ナチュラルウォーター
- ナチュラルミネラルウォーター
- ミネラルウォーター
- ボトルドウォーター(飲用水)
これ、ただの雰囲気ワードではなく、ちゃんとしたルールで使い分けが決まっているんです。
ざっくり4つをキャラ紹介

① ナチュラルウォーター
→ 地下水をそのまま使う、素朴系。
- 地下からくみ上げた水が原水
- 処理は「沈殿・ろ過・加熱殺菌」だけ
- 余計な加工はしませんよ、というスタンス

② ナチュラルミネラルウォーター
→ ナチュラルウォーターの中でも、ちゃんとミネラルを含んだ“鉱化した水”。
- 地下を流れるうちに、地層の無機塩類(ミネラル)が溶け込んだもの
- 処理方法はナチュラルウォーターと同じ(沈殿・ろ過・加熱殺菌のみ)
- ミネラルは「自然に」入っているだけで、あとから足したり引いたりしない

③ ミネラルウォーター(狭義)
→ ナチュラルミネラルウォーターを人間がちょっと整えた水。
- 原水はナチュラルミネラルウォーター
- ミネラルの量を調整したり、複数の水源をブレンドしたり、ばっ気(空気を入れる処理)したりOK
- 「自然のまま」よりも「いつ飲んでも同じ味」を優先した設計

④ ボトルドウォーター(飲用水)
→ いわば“なんでもあり枠”。
- 原水に水道水や処理水も含めOK
- 逆浸透膜でほぼ純水にしてからミネラルを足す、なんて高度なこともできる
- コンビニの激安PB商品とかに多いポジション
一方、水道水は「超ガチなライフラインエリート」

ここで視点を水道水に移しましょう。
水道水は水道法にもとづいて供給されていて、
「生涯飲み続けても健康への影響が出ないこと」
を前提に、51項目もの水質基準が決められています。
(一般細菌、大腸菌、重金属、農薬、トリハロメタン…などなど)
しかも、
- 24時間365日、
- 日本全国どこでも、
- 蛇口をひねればほぼ同じクオリティで出てくる
という、とんでもないスペックを求められているわけです。
冷静に考えるとかなりのチート性能。
そのために何をしているかというと…
水道水の“必殺技”:塩素消毒

水道水は、浄水場からあなたの家の蛇口まで届くあいだに、
- 長い配管を通り
- 場所によっては何十年もの古い管を通り
- 温度や環境がコロコロ変わる
という過酷な旅をしています。
途中で菌が増えてしまったらアウトなので、
「配水管のいちばん端っこでも、一定以上の塩素が残っていること」
が、法律で義務づけられているんですね。
その結果として生まれるのが、
おなじみ 「カルキ臭」
「プールっぽいニオイの正体」です。
※もちろん、健康に影響がないレベルに管理されています。
ただ、舌と鼻は正直なので「ニオイがする…」と感じる人が多いようです。
ミネラルウォーターが「なんかおいしい」理由

では本題、味の違いを科学寄りの視点で分解してみましょう。
ざっくりいうと、ポイントはこの4つです。
- 硬度(カルシウム・マグネシウムの量)
- ミネラルの種類とバランス
- 塩素の有無
- 温度・ガス・容器などの細かい条件
硬度:水にも「ライト」「ヘビー」がある

硬度とは、
水1Lあたりにどれくらい カルシウムとマグネシウム が入っているかを数値化したもの。
ざっくり計算式は、
硬度 = 2.5 × Ca量(mg/L) + 4 × Mg量(mg/L)
これが多いと硬水、少ないと軟水です。
よく使われる目安はこんな感じ。
- 0〜100 mg/L:軟水
- 101〜300 mg/L:中硬水
- 301 mg/L〜:硬水
味のイメージでいうと、
- 軟水
- 口当たりが軽い
- 「すっきり」「やわらかい」
- 日本の水道水はだいたいここ
- 硬水
- 飲みごたえしっかり
- マグネシウムが増えると苦味・えぐ味も出てくる
- 有名な「エビアン」は硬度約300mg/Lの硬水
つまり、
「なんか外国のミネラルウォーターって重い味する…」
という感想は、
だいたい硬度のせいです。
ミネラルたちの“おいしい役”と“まずい役”

水に入っているミネラルには、それぞれ役割と性格があります。
ざっくり分類すると…
- おいしさに貢献しやすいメンバー
- カルシウム:まろやかさの担当
- カリウム:味にコクを与える
- 二酸化炭素:炭酸として爽快感を演出
- まずさに寄与しやすいメンバー
- マグネシウム:多いと苦味
- 硫酸イオン:渋味・えぐ味の原因に
- 硫化水素:温泉卵系のあのニオイ(さすがに飲料にはあまり入っていない)
同じ「ミネラルウォーター」でも、
この配合バランスが違うだけで味のキャラクターがガラッと変わるわけです。
ラベルの「成分表」は、
実はその水のキャラ設定表みたいなもの。
推しのミネラルウォーターを見つけたい人は、
アイドルのプロフィールを見るノリで、成分表を眺めてみると楽しいです。
塩素がいるかいないか問題

味の違いをはっきり感じるポイントがここ。
- 水道水
- 安全のために残留塩素が必ずいる
- そのおかげでどこでも安心して飲めるが、カルキ臭の元でもある
- ミネラルウォーター
- ボトルに詰める前に、
加熱殺菌やろ過、場合によってはオゾン・紫外線などで殺菌 - ボトルの中は密閉空間なので、塩素を残しておく必要がない
- ボトルに詰める前に、
つまり、
「同じようなミネラル構成でも、ミネラルウォーターの方がおいしく感じる」
ことが多いのは、
塩素がいるかどうかの差もかなり大きいんです。
温度・ガス・容器という“裏方キャスト”

さらに細かい話をすると、こんな要素も味に効きます。
- 温度
- 冷たいほど味覚が鈍くなり、苦味やニオイを感じにくくなる
- 「水道水も冷やすとおいしく感じる」のはここ
- 溶存ガス(酸素・二酸化炭素)
- 酸素が多いと“さわやか”と感じられやすいと言われる
- 炭酸ガスは言わずもがな、爽快感の主役
- 容器
- ガラス:ニオイが移りにくく、味に影響しづらい
- PET:長期間保存すると、わずかな移り香が議論されることも
- だから超高級ミネラルウォーターがガラス瓶を好むのは、見た目だけじゃない
ここまで来ると、
水ってもはや「透明なだけのワイン」みたいな世界ですね。
水道水とミネラルウォーターはどう使い分けるの?

ここまで読むと、
「で、私は何を飲めばいいんだい?」
という声が聞こえてきそうなので、
ざっくりシーン別に整理してみます。
そのままゴクゴク飲むとき

- 味・香りを楽しみたいとき
→ 好みのミネラルウォーターを選ぶのが◎- 軟水好き:日本国内の「ナチュラルミネラルウォーター」あたり
- 硬水好き・ミネラル補給重視:ヨーロッパ系の硬水ブランド
- コスパ重視+そこまで味にこだわらないとき
→ 冷やした水道水でも十分アリ- 気になる人は浄水器やポット型のフィルターを併用するとカルキ臭がかなり減る
料理に使うとき

- 和食・だし・お米を炊く
→ 基本は軟水(水道水 or 軟水のミネラルウォーター)がおすすめ- 旨味が素直に出やすく、味がまとまりやすい
- パスタ・肉の煮込み・洋風スープ
→ 多少硬度が高い水の方がコシが出る・旨味が濃く感じることも
健康・美容を気にするとき

- カルシウム・マグネシウム・カリウムなど、
それぞれのミネラルはちゃんと体で役割を持っているので、
成分表を見ながら選ぶのは理にかなっています。
ただし、
「この水を飲むだけで○○が劇的に良くなる!」
…みたいな宣伝は、だいたい盛ってます。
水は薬ではないので、生活全体のバランスの中の一要素くらいに考えるのがちょうどいいのです。
最後に

好きな水を選べる時代にいる、という贅沢
ここまでを超ざっくり振り返ると…
- ミネラルウォーターは
→ 「水のみを原料とする清涼飲料水」=飲み物の一種 - ラベルの「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」には
→ 原水・処理方法・ミネラル調整の有無といった法律上の違いがある - 水道水は
→ 51項目の厳しい基準+残留塩素で守られた、超優秀なライフライン - 味の違いは
→ 硬度、ミネラルの種類、塩素の有無、温度や容器などの科学的な条件の積み重ね
そしてなにより、
「今日はこの水にしようかな」と選べること自体が、わりとすごい時代の贅沢
だったりします。

あなたが今日なんとなく選んだ
その一本の水は、
- 何十年もかけて地層をくぐり抜けてきた水かもしれないし、
- 何人もの技術者が基準とにらめっこしながら守ってきた水かもしれません。
どちらにせよ、
その一口が、あなたの体のどこかの細胞になっていきます。
次にペットボトルを手に取るとき、
ラベルをちょっとだけ眺めてみてください。
「今日はどんなストーリーの水を飲もうかな?」
そうやって選ぶと、
ただの“水分補給”が、ほんの少しだけ豊かな時間に変わるかもしれません。

