未発見ファイル
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洞窟の入口で「風」を測ったら、地図にない空間が見つかった!?

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

「ここで行き止まりか」

暗い洞窟を、

探検家が進んでいきます。

狭い穴を抜け、

岩を越え、

ようやく奥へ。

そして、

目の前に岩壁。

「ここで終わりか」

地図にも、

この先はありません。

普通なら、

調査終了です。

ところが、

洞窟の入口では、

妙なことが起きていました。

中から、

ずっと風が吹いていたのです。

しかも時間がたつと、

風向きが逆になりました。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

洞窟が、息をしている?

「また逆になった」

研究者が、

入口の風を測ります。

ある時間は、

洞窟から外へ。

別の時間は、

外から洞窟へ。

原因の一つは、

外の気圧です。

気圧が変わるたび、

地下の空気が押し出されたり、

吸い込まれたりする。

巨大な地下空間が、

ゆっくり息をしているような動きです。

そこで研究者は、

風速と気圧を記録し続けました。

すると、

ただの出入りではないことに気づきます。

同じような動きが、何度も繰り返されていました。

「この数字、何度も出てくるな」

測定したデータを並べる。

また同じ周期。

しばらくすると、

また同じ周期。

「偶然じゃないな」

洞窟の空気には、

振動しやすい周期

がありました。

空のボトルに息を吹くと、

「ボーッ」

と鳴ります。

あれと似ています。

ボトルの大きさが変われば、

鳴り方も変わる。

洞窟も、

空間の大きさや入口の広さによって、

振動のしかたが変わります。

そこで研究者は考えました。

なら、この周期から地下の大きさを逆算できるのでは?

計算したら、地図と合わない

研究者が、

数字を計算します。

そして、

現在の洞窟地図を見る。

もう一度、

計算結果を見る。

「……足りない」

地図に描かれている洞窟だけでは、

測定された空気の動きを説明できません。

計算上は、

もっと大きな地下空間が必要でした。

研究では、

すでに知られている部分は、

推定される地下空間の半分にも満たない可能性が示されました。

つまり、

探検家が、

「ここで終わり」

と思った岩壁の向こうにも、

まだ空間が続いているかもしれないのです。

でも、そんな音は聞こえない

洞窟へ戻って、

耳を澄ませます。

「…………」

何も聞こえません。

それもそのはずです。

地下空洞では、

0.001Hzほどの非常に低い振動も測定されています。

0.001Hzなら、

一回の振動に約17分。

「ブーン」

という音ですらありません。

人間には、

ほぼ感じ取れないほどゆっくりです。

でも測定器なら、

その動きを拾える。

そして、

人間には聞こえないその振動から、

人間がまだ見たことのない場所を推定できます。

壁の向こうを見る方法

洞窟の奥。

目の前には、

岩しかありません。

叩いても、

向こうは見えない。

穴もない。

通れない。

それでも、

地下の空気はつながっていることがあります。

だから入口で、

空気の動きを測る。

その周期を調べる。

すると、

岩の向こうにあるかもしれない空間が、

数字として浮かんできます。

洞窟探検というと、

人間が奥へ奥へと進むものに見えます。

ところが場合によっては、

向こう側から出てくる空気を待った方が、先のことが分かるのです。

最後に

洞窟の奥。

探検家が、

岩壁の前で立ち止まります。

「ここまでだな」

何時間もかけて戻り、

地図にも最後の線を引く。

調査終了。

ところが後日。

入口のデータを見た研究者が、

その地図を眺めて言います。

「この先、まだ空間がありそうです」

探検家は、

しばらく黙ります。

そして、

せっかく片づけたロープを、

もう一度取り出しました。

どうやら、帰るにはまだ早かったようです。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、無駄雑学などの小噺を発信しています。
どうぞ、ふらりと覗いてみてください。
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