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ピラミッド建設の秘密は地味だった?──石・そり・水・パンで動いた巨大現場

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

こんな石、どうやって持ち上げた?

ピラミッドを見上げると、

まず石の大きさに目がいきます。

一個でも重そうです。

それが、

上にも。

その上にも。

さらに上にも積まれています。

「これ、どうやって運んだんだ?」

そう思うのは自然です。

音で浮かせた。

失われた機械を使った。

そんな話が出てくるのも、

分からなくはありません。

ところが2013年。

クフ王の時代に働いていた男の、

約4500年前の日誌

が見つかりました。

もし、

ピラミッド建設の秘密が書かれていたら……。

少し期待してしまいます。

ですが、

出てきたのは――

石を積む。

船で運ぶ。

移動する。

泊まる。

また運ぶ。

「……それだけ?」

拍子抜けするほど、

普通です。

でも、

ここから話が変わります。

一個の石を動かすだけなら、

まだ一日の仕事です。

ピラミッドは、

それを終わるまで続けなければなりません。

石を運ぶ。

人を動かす。

食べさせる。

そして翌日も、

現場を止めない。

もしかすると、

ピラミッドで一番すごかったのは、

石を動かす方法ではなく、
毎日それを続けられたこと

だったのかもしれません。

※本記事は筆者個人の感想をもとに制作されているため、正確ではない情報の可能性があります。また、本文中の人物名については、文章を読みやすくするため敬称を省略しています。

ピラミッド建設の記録が見つかった

エジプト・ギザ。

三つのピラミッドの中で、

もっとも大きいのが、

クフ王の大ピラミッドです。

2013年。

その時代に働いていた男の記録が、

紅海沿岸で見つかりました。

書いたのは、

現場監督のメレル。

内容はピラミッド建設の記録です。

何か秘密が書かれていそうですが、

中身はかなり地味でした。

トゥーラという採石場へ向かう。
↓
石灰岩を積む。
↓
船を出す。
↓
ギザへ運ぶ。
↓
また戻る。

そして、

次の日も運ぶ。

「……配達記録みたいだな」

でも、

大ピラミッドには、

石が一個届けばいいわけではありません。

次の石。

その次の石。

さらに次の石。

どれだけ積み方が優れていても、

現場に石が届かなければ、

そこで終わりです。

ピラミッドは、

石を積んで作った建物です。

ですがその前に、

石を絶えず送り込む仕組みが必要でした。

大ピラミッドを動かしていたのは、

石工だけではなく、

巨大な物流そのものだったのです。

石を動かす方法は、意外と地味だった

巨大な石を、

どうやって動かしたのか?

古代エジプトには、

そのヒントになる巨大な像を運ぶ壁画が残っています。

像は、

木のそりの上。

前では大勢の男が、

ロープを引いています。

そして、

そりの前では一人の男が、

地面に液体を撒いています。

「これ、何のためだ?」

この場面は後に、

砂を湿らせて、

そりを引きやすくしていたのではないか?

と考えられるようになりました。

現代の実験でも、

砂に適量の水を加えると、

そりを引く力が少なくて済むことが分かっています。

乾いた砂では、

そりの前に砂が盛り上がります。

少し湿らせると、

砂がまとまり、

進みやすくなります。

使っているものは、

そり。

ロープ。

砂。

そして、

少しの水。

どれも、

特別な道具ではありません。

それでも、

力任せに引くより、

少しでも抵抗を減らした方がいい。

巨大な石を動かしたのは、

不思議な道具ではなく、

普通の道具を少し賢く使う工夫だったのかもしれません。

石を積まない人も、ピラミッドを作っていた

ギザでは、

ピラミッドを作った人たちが暮らした、

大きな居住区域も見つかっています。

そこには、

厨房。

パンを焼く施設。

倉庫。

作業場。

管理施設。

人が働いて、食べて、休める場所までそろっていました。

考えてみれば、

石を積む人だけ集めても、

ピラミッドは作れません。

腹が減れば、

仕事は止まります。

道具が壊れても、

止まります。

材料が届かなくても、

止まります。

だから、

パンを焼く人がいる。

道具を直す人がいる。

物資を管理する人がいる。

石を積んでいない人まで、

ピラミッド建設に必要でした。

完成した姿を見ると、

どうしても石ばかり目に入ります。

でも実際には、

その石の後ろで、

何千人もの仕事を支える場所が動いていた。

ピラミッドは、

石を積む前に、

人が働き続けられる現場を作る必要があったのです。

最後に

大きすぎる建物には、大きな秘密がある気がする

ピラミッドを見ると、

どうしても、

特別な方法を探したくなります。

音で石を浮かせた。

未知の機械を使った。

そのくらいの秘密がないと、

あの大きさには釣り合わない気がします。

でも、

残っていた記録は違いました。

石を運ぶ。

そりを引く。

砂を濡らす。

パンを焼く。

道具を直す。

どれも、

一日だけなら、

それほど不思議な仕事ではありません。

問題は、

それを明日もやることです。

その次の日も。

さらに、その次の日も。

石が足りなければ運ぶ。

働く人たちの食料を用意する。

道具が壊れれば直す。

そして、

また石を積む。

ピラミッドの異常さは、

特別な一日にあったのではなく、

普通の日を、普通ではない数だけ重ねたこと

にあるのかもしれません。

そう考えると、

音で石を浮かせる話より、

そちらの方が少し怖くなります。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、無駄雑学などの小噺を発信しています。
どうぞ、ふらりと覗いてみてください。
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