映画と違う!中世ヨーロッパの食事のリアル―庶民はほぼパンと豆⁉
はじめに

中世ヨーロッパの食事と聞くと
多くの人がこう想像します。
長いテーブル。
山盛りの肉。
ワインを豪快に飲む王様。
そして骨付き肉を振り回す騎士。
まさに映画の中世ですね。
分かります。
ところが。
歴史資料を読むと
様子がおかしい。
というか
かなり違う。

実際の中世の食卓は
パン
エール
豆
粥
野菜
以上です。
……。
え?
いや待ってください。
肉は?
さっきの肉の山は?
安心してください。
あれは主に
貴族の宴会シーンだけです。
つまり
映画=結婚式
日常=平日の社員食堂
くらいの差があります。
※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。
パン。とにかくパン。

まず庶民の食事。
基本メニューはこれです。
パン。
エール(ビール)。
以上。
いやシンプルすぎません?
と思いますよね。
僕も思いました。
でもこれは誇張ではありません。

実際、中世イングランドでは
パンとエールの価格や重さを法律で管理していました。
これを
「パンとエールのアサイズ」
と呼びます。
つまりパンは
主食というより
インフラ。

現代で言うと
電気
水道
Wi‑Fi
このレベル。
パンがない?
それはつまり
Wi‑Fiがない世界。
……。
いやそれは中世じゃなくても地獄です。
肉ばっかり食べていた?

ここでよくあるイメージ。
中世ヨーロッパ=肉祭り。
しかし現実は
ちょっと違います。
庶民の食事は
穀物
豆
粥
野菜
チーズ
そして
たまに豚肉。
このくらい。

ここで主役になるのが
豆。
豆です。
えんどう豆。
ソラマメ。
レンズ豆。
派手さ?
ゼロ。
SNS映え?
完全にゼロ。
しかし栄養は優秀。

実際、中世の料理写本
『Forme of Cury』にも
豆をゆでて
つぶして
ハーブと混ぜる料理が出てきます。
つまり
肉がホームランなら
豆は
毎日ヒット。
しかも四打席。
いや四打席全部ヒット。
チームを支えているのは
だいたい豆です。
地味だけど。
豆は裏切りません。
「肉は禁止。魚ならOK」

中世には
断食が多い。
そう。
中世ヨーロッパでは
宗教の影響で
肉を食べてはいけない日がたくさんありました。
断食日。
宗教期間。
金曜日。
などなど。
かなり頻繁です。
ここで普通の人は思います。
「じゃあその日は何も食べないの?」
いい質問です。
実は違います。

ここがポイント。
現代の断食=何も食べない。
中世の断食=四足動物の肉を食べない。
つまりルールはこうです。
牛・豚・羊
→ ダメ。
魚
→ OK。
パン
→ OK。
野菜
→ OK。
つまり
肉NGデー。
「それただの肉禁止日じゃない?」
はい。
だいたい合っています。
ただし断食日は
食事回数が減ったり
量を控えたり
乳製品が制限されたり
少しだけ厳しくなります。
でも。
魚はOK。
ここが料理人に火をつけます。
料理人
「肉ダメ?じゃあ魚で本気出すか」
結果どうなるか。
魚料理がめちゃくちゃ発達します。
しかも味付けがやたら豪華。
例えばうなぎ料理。
ショウガ
シナモン
クローブ
サフラン
さらに
ヴェルジュ(未熟ブドウ果汁)。
いや待ってください。
『断食』料理ですよね?
豪華すぎません?

これはもう
「今日は軽く食べる」
と言いながら
回転寿司で
23皿いく人です。
軽くとは一体…?
貴族の料理は「情報量が多い」

では貴族の食事はどうだったのか?
ここでイメージ。
肉ドーン。
豪快。
しかし料理書を見ると
むしろ
めちゃくちゃ凝っています。
香辛料。
砂糖。
アーモンド。
ワイン。
未熟ブドウ果汁。
全部入れる。
料理の情報量が
RPGの装備説明くらい多い。(説明欄がやたら凝っているゲームとかありますよね)

代表例が
ブランマンジェ。
材料はこちら。
米
鶏肉
アーモンドミルク
砂糖
揚げアーモンド
豚脂
ちょっと待ってください。
これは
デザート?
主菜?
スープ?
ジャンル会議を開きたい。
しかし当時は普通。
甘い
しょっぱい
脂
香辛料
全部ミックス。
味覚のカーニバルです。
舌が忙しい。
スパイス=高級ブランド

ここで重要なのが
香辛料。
シナモン
クローブ
ショウガ
サフラン
これらは
ただの調味料ではありません。
高級食材です。

つまり料理に入れると
「うちは裕福です」
という宣言になります。
現代で言うと
トリュフを削りながら
「今日は節約です」
と言う感じ。
いや、説得力。
でも美味しそう。
野菜は普通に食べていた

ここでよくある誤解。
中世は野菜を食べなかったのか?
実はそんなことはありませんでした。
資料を見ると
パセリ
フェンネル
ほうれん草
リーキ
玉ねぎ
ミント
ローズマリー
普通に出てきます。

つまり
もし中世の食卓が肉だけなら
ヨーロッパは
巨大バーベキュー会場です。
煙。
煙。
煙。
目が痛い。
いや無理です。
飲み物は酒だけ?

ここで有名な話。
「中世は水が危ないからみんな酒を飲んでいた」
半分正解。
半分違います。
北ヨーロッパ
エール(ビール)。
南ヨーロッパ
ワイン。
確かに酒は重要でした。
しかし
全員が常に酔っていたわけではありません。
地域
身分
場面
全部で違います。

つまり
ヨーロッパは
巨大飲み会ではない。
巨大飲み会文化圏ではある。
……。
微妙な違いですが
かなり大事です。
最後に

中世の食卓を一言でまとめます。
庶民の食事
パン
豆
粥
野菜
貴族の食事
肉
魚
香辛料
砂糖
ワイン
そして両方に
宗教ルール。
つまり中世メシのキャッチコピーは
パンと豆で生き延び
スパイスで見栄を張る
これです。

人間。
昔から
ごちそうが好き。
さて。
もし中世ヨーロッパの食卓に招待されたら。
毎日を支えた
パンと豆のポタージュ。
それとも
香辛料で味覚が迷子になる
貴族のブランマンジェ。
あなたはどちらを食べますか?
ちなみに僕は豆です。
理由?
ブランマンジェは
ちょっと勇気がいるからです。(味が想像つきません)


