優雅な城の裏側:中世ヨーロッパのトイレ事情が想像以上に過酷だった話
はじめに

中世ヨーロッパ。
石の城。
美しい教会。
勇ましい騎士。
映画やゲームだと、だいたいこういう世界です。
ロマン。
歴史。
重厚なBGM。
……はい。
ここで一つ質問です。
その世界の人たち、
トイレどうしてたんでしょう?

いや大事ですよ?
食べたら出ますからね。
人類の歴史、ここは避けて通れません。
そして結論から言うと。
想像より
かなりワイルドでした。
「優雅な城」
のすぐ横にあるのは
「とても現実的なトイレ事情」
だったのです。
ロマンの横に
生活。
しかも
なかなか強烈なやつ。
※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。
優雅な石の城、仕組みはほぼ“穴と重力”

中世の城には
ガーダローブ(garderobe)というトイレがありました。
名前だけ聞くと
ちょっと高級なホテルの部屋みたい。
「ガーダローブをご用意しております」
とか言われそう。
しかし実態は
とてもシンプル。
座る。
穴。
落ちる。
以上。
説明が終わりました。
え?それだけ?
それだけです。

汚物は壁の中の縦穴を通って
下へ落ちます。
便槽。
地面。
場合によっては堀。
重力フル活用。
つまり
中世の排水システムは
ニュートン頼み。
ニュートン「リンゴ落ちるなあ」
中世の人「それトイレでも使えるな」
発想が強い。
城を見学すると
壁からちょっと張り出した小部屋があります。
あれ、
ロマンチックな出窓に見えますよね?
しかし歴史好きは
「あれ…トイレでは?」
と気づきます。
そう。
景色を見る出窓ではなく
人生を軽くする出窓。
ロマンの角度が
だいぶ変わります。
豪華な城でも、防げないものがある

「でも城なら快適だったのでは?」
そう思います。
石の城。
豪華な部屋。
貴族の生活。
しかしここで
最大の敵が登場します。
配管トラブル。
詰まる。
そして。
臭う。
とても臭う。
いやこれ
現代でもありますよね。

高級ホテルでも
配管詰まったら
普通にピンチです。
中世ならなおさら。
豪華な玉座。
美しい壁画。
豪華な料理。
そして
どこからともなく漂う空気。
王様「……誰か窓開けてくれ」
臭いは
身分制度を尊重しません。
王でも
平民でも
平等です。
この一点だけは
ものすごく民主主義でした。
個室文化、まだ未実装

現代のトイレ。
個室。
安心。
静寂。
スマホタイム。
しかし中世は違います。
ロンドンで見つかった便座。
穴が3つ。
つまり
3人同時トイレ。
しかも
仕切りなし。
距離が近い。
かなり近い。
仲良しです。
嬉しくない仲良しですが。

理由はシンプル。
設備不足。
効率重視。
プライバシー?
まだアップデート途中。
現代で例えるなら
会社で
「今日からトイレはベンチ式です」
と言われる感じ。
想像してみてください。
会社員A
「えっ…隣いるんですか?」
会社員B
「ちょっと…気を付けてください。狭いんだから…」
会社員C
「静かにしてください…部長も来ました…」
会社員A
「この会社…トイレまで満員電車にする必要ありました?」
会社員B
「トイレで乗車率200%は聞いてないんですが?」
こんなのカオスです。
会社を去る社員も多くなりそうです。
マイトイレ?そんな贅沢ありません

中世の都市では
自宅トイレがない家も
普通にありました。
共同便槽。
公衆便所。
共有トイレ。
つまり
トイレ問題は
個人の悩みではなく都市問題。
人口が増える。
排泄物も増える。
しかし
流す設備技術は弱い。

結果。
都市ほど大変。
文化が発展する都市。
芸術が生まれる都市。
そして
トイレ問題もフル発展。
歴史には光と影があります。
そしてこの話は
完全に影側です。
しかも
だいぶ臭うタイプの影です。
深夜の超ハード仕事:便槽クリーニング

さて。
ここで大事なこと。
トイレは
使うだけでは終わりません。
溜まります。
必ず。
つまり
誰かが掃除しないといけません。
この仕事。
とても大変です。
臭い。
危険。
重労働。
三拍子そろっています。

しかも作業は
夜。
昼間にやると 匂いがきつすぎて街が大騒ぎになるからです。
静かな夜。
月明かり。
そして
便槽。
ロマンチックな雰囲気が
全部台無しです。
でも社会は
こういう人たちで
回っています。
文明の裏側には
だいたい
大変な仕事がある。
中世ではそれが
かなりダイレクトでした。
修道院だけ文明レベルが急に上がる

ここで
ちょっと希望の話。
中世のトイレが
全部原始的だった
わけではありません。
修道院には
reredorter(リレドーター)
という共同便所がありました。
そしてなんと
水を流す仕組み。
「え、急に文明来た?」
といいたくなるレベル。
この共同便所は川の水を使って排水する構造でした。

つまり
一口にトイレといっても
場所によって
文明レベルがかなり違う。
修道院は
衛生管理にも
かなり真面目でした。
修道士A
「祈りも大事だがトイレも大事」
完全に正論です。
しかし寄生虫は元気です

設備がある。
安心。
……とはいきません。
中世の便所遺構からは
回虫や鞭虫の卵が見つかっています。
つまり
トイレがある=完全に衛生的
ではないのです。
処理は人力。
水管理も難しい。

結果。
寄生虫にとっては
わりと快適。
人類が整えた生活環境を
虫がレビューします。
「住みやすいです ★★★★★」
やめてください。
そのレビュー
本当に困ります。
中世の人も普通に思っていた

中世の人々は
この状況を
放置していたわけではありません。
街路に汚物を捨てるな。
川を汚すな。
掃除しろ。
そんな命令の記録が
ちゃんと残っています。

つまり
当時の人も
普通に思っていました。
「これヤバくない?」
ですよね。
臭い。
汚い。
危険。
三重苦です。
ただし
技術がまだ足りなかった。
解決には
かなり時間が必要でした。
なぜこうなったのか

理由は
とてもシンプル。
人口 > インフラ
人が増える。
排泄物も増える。
しかし
流す設備は弱い。

処理は人力。
設備は詰まる。
臭う。
問題になる。
社会システムが
まだ発展途中だったのです。
そしてついに上下水道

この状況が変わった理由。
それは
技術。
都市計画。
排水設備。
上下水道。
これらが整うことで
トイレ問題は
大きく改善しました。

流す。
隔離する。
洗う。
今では普通。
しかし人類史では
かなり大きな革命です。
最後に

中世ヨーロッパのトイレ事情は
かなり大変でした。
城では壁の穴。
都市では共同便槽。
掃除は夜。
寄生虫も元気。
しかしそれは
人々が無関心だったからではありません。

当時の技術の限界の中で
なんとか社会を回していた結果です。
美しい城を見るとき
少し想像してみてください。
「この人たち…
トイレどうしてたんだろう」
もしあなたが
中世にタイムスリップしたら。
最初に確認する場所。
それはたぶん
トイレです。

