午前2時、誰もいないのにインターホンが鳴った?誰も押していないのに、インターホンが鳴る夜
はじめに

午前2時、二度鳴った
午前2時。
ピンポーン。
男性が、
目を開けます。
モニターを見る。
玄関には、
誰もいません。
「……誰?」
しばらく待つ。
何も起きない。
布団へ戻ろうとした、その時。
ピンポーン。
二度目です。
今度は、
眠気が消えました。
※本記事は筆者個人の感想をもとに制作されているため、正確ではない情報の可能性があります。
録画にもいない

男性は、
録画を巻き戻します。
玄関。
門。
道路。
誰も映っていません。
「押してから逃げた?」
もう一度見る。
やっぱり、
人影はありません。
ただ、
人間の可能性を消すには早すぎます。
留守かどうか確かめるために、
インターホンを鳴らす人もいます。
男性は、
玄関の鍵を確認しました。
そして、
画面をもう一度見ます。
誰もいない。
なのに、
鳴った。
朝になると、地面が濡れていた

翌朝。
玄関を開けると、
道路がまだ濡れています。
昨夜まで、
かなりの雨でした。
男性が、
インターホンを見上げます。
「……お前、水入った?」
屋外用でも、
中へ水が入り込めば、
誤作動することがあります。
ボタンを押した人がいなくても、
鳴ることはあります。
昨夜の犯人。
雨なら、
一応つじつまは合います。
ただし。
雨が止んだのは、
夕方でした。
鳴ったのは、
午前2時です。
雨は、とっくに帰っていた

昼間は暖かい。
夜になる。
玄関も冷える。
インターホンの中も、
冷えていきます。
条件がそろえば、
内部に小さな水滴ができます。
結露です。
男性。
「時間差で来るのか……」
昼間は何もない。
夜になって、
急に調子を崩す。
これなら、
午前2時だった理由も見えてきます。
少し安心。
その夜。
天気予報は、
晴れ。
湿気も少なめ。
男性は、
インターホンを見ました。
「じゃあ今夜は大丈夫だな」
数時間後。
ピンポーン。
容疑者、数ミリ

男性が、
玄関へ出ます。
玄関灯の近くを、
小さな虫が飛んでいます。
ふらふら。
壁に止まる。
男性も止まる。
「……まさか、お前?」
虫やホコリが、
機械の中へ入り込むことはあります。
深夜。
無人の玄関。
さっきまで、
不審者を警戒していました。
今は、
数ミリの虫をにらんでいます。
かなり情けない絵です。
ただし、
虫が一匹いただけでは、
まだ有罪にできません。
翌日も、
同じ時間に鳴りました。
「誰が押した?」が間違っていた

三日目。
男性は、
玄関子機の前で腕を組みます。
「誰も押してないなら、なんで鳴るんだよ」
そこで、
一つ気づきます。
インターホンは、
玄関のボタンだけではありません。
そこから、
家の中まで。
壁の中を、
配線が伸びています。
古くなった線。
傷んだ接続部。
腐食。
断線。
表から見えない場所でも、
異常は起きます。
男性が、
壁を見る。
「犯人、そっち?」
玄関ばかり見ていたのに、
捜査範囲が、
家の中へ広がりました。
隣の家まで容疑者になった

ワイヤレス式なら、
さらに妙なことがあります。
隣の家。
誰かが、
自分の機器を使う。
こちらの家。
ピンポーン。
男性。
「いや、なんで?」
近くの機器や、
強い電波の影響で、
意図しない呼び出しが起きる機種もあります。
犯人候補が、
隣の家まで広がりました。
ただ、
男性の家を調べると、
有線式。
「違うのかよ」
容疑者、
一人脱落。
でも、
残った候補の中に、
かなり地味なものがありました。
何年前から、そこにいる?

男性が、
玄関子機を見ます。
少し黄ばんでいます。
細かい傷。
角には、
わずかなサビ。
「これ、いつ付けた?」
家族。
「家を建てたとき」
「それ何年前?」
返事が、
少し遅れます。
一般住宅のインターホンは、
10年ほど使えば、
交換を考え始める時期に入ります。
昨日まで鳴っていた。
今日も鳴る。
だから正常。
そうとも限りません。
外見は同じでも、
中では毎日、
少しずつ古くなっています。
男性。
「犯人、寿命?」
ものすごく地味です。
でも、
こうなると笑って外せる候補でもありません。
本当に人が映った?

別の日。
午前2時すぎ。
ピンポーン。
男性は、
慣れた手つきで録画を開きます。
いつもの無人の玄関。
そのはずでした。
画面の端。
黒い影が動きます。
一瞬だけ、
人の肩。
「……いるじゃん」
男性の表情が変わります。
毎回似た時間。
何度も鳴る。
人影まで映る。
ここまで来れば、
故障だけを疑うわけにはいきません。
録画を保存。
玄関の鍵を確認。
カーテンを閉める。
今度は、
機械ではなく、
外を気にする夜になりました。
鳴った瞬間より、前を見る

数日後。
男性は、
紙にメモを取り始めます。
鳴った時間。
その日の天気。
気温。
何回鳴ったか?
録画に何が映ったか?
インターホンを、
何年使っているか?
「昨日、雨だった?」
「この時間だけ鳴ってない?」
「また同じ日?」
一回だけ見ると、
ただの怪現象。
並べると、
癖が見えてきます。
雨の翌日。
寒い夜。
同じ時刻。
毎回ではない。
この辺りから、
犯人探しが少し面白くなります。
そして男性は、
一番手っ取り早そうな方法を思いつきました。
開ければ分かる。たぶん。

男性が、
ドライバーを持ってきます。
「中を見れば早いな」
玄関子機に、
手を伸ばす。
家族。
「それ、電気来てない?」
手が止まります。
機種によっては、
電源が直接つながっています。
何でも外して、
中をのぞけばいいわけではありません。
男性。
「……業者に頼もう」
ドライバーを、
元の場所へ戻します。
犯人探しで、自分が原因になるのは避けたいところです。
最後に

犯人は、前日の雨だった
翌日。
修理の人が来ます。
玄関子機を確認して、
少しだけ作業。
そして一言。
「水が入ってますね」
男性。
「じゃあ、誰も押してなかった?」
「押してないですね」
午前2時。
二度鳴ったインターホン。
録画には、
誰も映っていませんでした。
犯人は、
幽霊でも、
ピンポンダッシュでもなく、
前の日に降った雨でした。
もちろん、
いつも雨が原因とは限りません。
虫。
古い配線。
電波。
本当に人が押していることもあります。
だから、
夜中に突然鳴ったとき、
玄関の前だけ見ていても、
答えが見つからないことがあります。
その夜に起きたように見えても、
原因はもっと前から始まっている。
午前2時の「ピンポーン」は、前日の出来事が遅れて鳴らした音だったのかもしれません。

