日常のふしぎ
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レジ前で理性がゆるむのはなぜ?――気づけば増えている「ついで買い」の正体

佐藤直哉(Naoya sato-)
<景品表示法に基づく表記>当サイトのコンテンツ内には商品プロモーションを含みます。

はじめに

スーパーのレジに並んでいるときの、あの独特の空気を思い出してください。

ピッ、ピッ、と鳴るスキャナーの音。
カゴに流れるネギと卵と牛乳。
財布を取り出す右手。

そして視界の端に、ぬるっと現れるあいつ。

98円のチョコバー。
期間限定の新作スナック。
「今だけ!」と元気いっぱいのPOP。

……あれ? いつの間に、カゴに入ったんでしょう。

買う予定はありませんでした。
必要でもありませんでした。
むしろ家には似たようなお菓子が、すでに山ほどあります。

それなのに、なぜか一緒に会計されている。

私たちは今日も、
ネギと卵と牛乳と――
「ついでの欲望」を持ち帰るのです。

そしてこうつぶやきます。

「まあ、98円だし……」

それは節約というより、
自分に出す一番安い許可証かもしれません。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

それは事故ではなく、だいたい予定どおりです

「ついで買い」は偶然ではありません。
レジ横でたまたま出会ってしまった悲しい恋……ではないのです。

ちゃんと仕組まれています。

心理学ではこれを「衝動買い」と呼びます。(まぁ、みんな知ってますよね)
突然やってくる「今すぐ欲しい!」という気持ちに、理性が白旗をあげるあの現象です。

頭ではわかっています。
「別に今じゃなくていいよね」
「家に似たのあるよね」

それでも手は伸びます。
なぜならその場の脳は、だいたいノリで生きているからです。

しかも調査によると、
オンラインショップ利用者の約82%が「ついで買い経験あり」
スーパーでは、ほぼ全員が「やってます」と答えています。

つまり――

ついで買いは国民的イベントです。
参加しない人のほうがレアキャラなのです。

脳は基本、めんどくさがり屋です

なぜ人は、こんなにも簡単に予定外のモノを買ってしまうのでしょうか。

答えはとてもシンプルです。
脳がめんどくさがり屋だからです。

人間の脳は、なるべく考えずに生きようとします。
深く考えるのはエネルギーを使うからです。

その代わり、目の前の刺激にはめっぽう弱い。

・安い
・限定
・おすすめ
・残りわずか

このワードを見ると、脳は即座に判断します。

「それ、今買っといた方がよくない?」

よく考えた結果ではありません。
ほぼ反射です。

しかも買い物をすると、脳の中ではドーパミンという“うれしい物質”が出ます。

つまり買い物は、
合法で安全なテンションアップ装置みたいなものです。

そりゃ楽しいわけです。
そりゃまたやりたくなるわけです。

脳にとって、
レジ前は小さなテーマパーク
なのです。

レジ前は理性がちょっと留守になる場所です

なぜ、ついで買いはレジ前で起きやすいのでしょうか。

理由はとてもわかりやすいです。

① 必ず目に入る
② 財布を開く瞬間
③ ちょっと暇

この三拍子がそろう場所は、地球上でもかなり貴重です。

レジ前は、
視界ジャック × 金銭解放 × 思考ゆるゆるゾーン。

しかも置いてあるのは
・安い
・小さい
・すぐ食べられる

という、つい手が伸びる三点セット。

「98円ならいいか」
「今日くらいはいいか」
「なんかおいしそうだし」

こうして人は、
牛乳を買いに来て唐揚げ棒を持ち帰る生き物になります。

ついで買いにも性格があります

ついで買いにも、だいたいタイプがあります。

① 思い出し型
「あ、そういえば切れてた」

② おすすめ型
「え、これ便利そうじゃん」

③ おトク型
「今だけ30%オフ!? それは反則」

どれも一見、とても合理的に見えます。
でも冷静に考えると、ちょっと不思議です。

なぜ家に帰ってからは思い出さないのでしょう。
なぜ定価なら買わないのに、割引だと買うのでしょう。

答えはひとつです。

レジ前では、思考力がちょっと溶けているからです。

ネット通販も同じことをしています

実は、ついで買いはネットでも起きています。

「送料無料まであと480円」
「一緒に買われています」
「この商品を見た人はこちらも購入」

これはすべて、
デジタル版レジ横です。

決済直前の人間は、
もっともガードがゆるい状態です。

そこに「あと少しでお得ですよ〜」と声をかけられると、
人はだいたい素直にうなずきます。

「ここまで来たし……」

この一言が、カートを太らせていくのです。

人は理性より気分で生きています

ついで買いの正体は、
「意志が弱いから」ではありません。

それは「人間だから」です。

疲れているとき
ストレスがたまっているとき
なんとなく気分が沈んでいるとき

人は、ちょっとしたご褒美が欲しくなります。
その一番手軽な方法が、買い物です。

手に入れた瞬間、
気持ちはちょっとだけ上向きになります。

でもその満足は、
レシートと一緒にすぐどこかへ行きます。

そしてまた次のレジ前で、
同じことを繰り返すのです。

それでも、ついで買いは悪者じゃありません

ここまで読んで、
「じゃあどうすれば防げるの?」と思った方もいるかもしれません。

でも、無理にゼロにする必要はありません

ついで買いは、
人生のちょっとしたスパイスです。

予定外のチョコが、
今日を少しだけ楽しくしてくれることもあります。

大事なのは、
それを「自分で選んだ」と思えるかどうかです。

流されて買ったのか。
楽しんで買ったのか。

その違いは、
レジ前で一呼吸できるかどうかだけです。

最後に

レジ前は小さな分かれ道です

人は一日に、たくさんの選択をしています。

その中で、
98円のチョコを買うかどうかなんて、
本当はどうでもいいことかもしれません。

でも、
その小さな選択の積み重ねが、
自分の毎日をつくっていきます。

レジ前は、
そんな人生の縮図みたいな場所です。

欲望と理性がすれ違い、
財布が開き、
甘い匂いが漂う場所。

そこであなたが何を手に取るかは、
誰にも決められていません。

今日もきっと、
どこかのレジ前で
誰かがチョコバーと目を合わせています。

そのとき、
ほんの一瞬だけ考えてみてください。

――これは本当に、私が選びたいものだろうか。

答えは、レシートの向こう側にあります。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、小噺を発信しています。
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