街じゅうコインランドリーだらけ問題。なぜこんなに増えたのか?
はじめに

コンビニの次くらいに見かけるものって、何だと思いますか?
そう、コインランドリーです。
「え、ここにも?」
「また増えてる!」
と感じたことがある人も多いはず。
気づけば、昔ながらの薄暗いコインランドリーは減り、おしゃれカフェ風のガラス張り店舗が、住宅街やロードサイドにどんどん増殖中です。

一体、日本に何が起きているのか。
洗濯物でもたまったのか。
(いや、それは各家庭の問題)
そんなコインランドリー旋風の正体を、日常の風景や暮らしの変化を辿りながら、肩の力を抜いてひもといていきます。
読み終わる頃には、あなたが次にコインランドリーの前を通るとき、ちょっと違った目で眺めてしまうはずです。
※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。
このブログ記事は2025年11月執筆時の情報で作成しています。
本当にそんなに増えてるの?

■まず事実確認
「増えた気がする」だけで話を進めると、ただの飲み会トークになってしまうので、まずは事実から。
統計や業界データによると、
- 1990年代後半:全国で約1万店ちょっと
- 2010年代後半:約2万店
- 2020年代:2万5,000〜2万7,000店前後
ざっくり言うと、この20〜30年で“ほぼ倍増”しています。
しかも市場規模は1,000億〜1,300億円と言われ、日本の洗濯市場全体(約5兆円)のまだ2%程度。

つまり、
まだまだ「伸びしろモリモリ」な業界
というわけです。
投資家から見れば、「こういう市場なら出店が増えるのも当然だよな」と納得してしまうだけの“伸びしろ要素”が揃っているのです。
共働き時代「時間を買う洗濯」が当たり前になった

■理由その1
昔のコインランドリーといえば、
- 洗濯機を持たない学生
- 一人暮らしの男性
が夜な夜な洗濯している…そんなイメージでした。
ところが今、主な利用者は主婦・共働き世帯・子育て世代。
むしろ「ちゃんと洗濯してそうな人たち」が来ています。
背景にあるのは、共働き世帯の増加。
- 共働き世帯はここ10年でさらに増加
- 平日は仕事と育児でフル回転
- 洗濯はどうしても「週末まとめて」になりがち
4人家族で1週間ぶんの洗濯物を想像してみてください。
タオル、服、シーツ…合計20kgなんてザラです。
家庭用洗濯機なら4回転コース。
洗う・干す・取り込むをセットでやると半日イベントです。

そこで登場するのが、最新型コインランドリー。
- 洗濯40分+乾燥30分
- 大容量で一気に片付く
- 乾燥まで自動で完了
「洗濯機を回しているあいだに、スーパーで買い物して、カフェラテ飲んで、ついでにスマホいじってたら終わってた」
という、時間を一気に買い戻す体験ができるわけです。
昔は「洗濯を外注するなんて贅沢」という価値観でしたが、今はこうです。
お金より、時間のほうが貴重。
この価値観の変化が、コインランドリーブームの大きなエンジンになっています。

ベランダが「洗濯物の聖地」ではなくなった

■理由その2
もうひとつ大きいのが、住環境の変化です。
- 高層マンションが増える
- 景観や安全のため「ベランダ干し禁止」の物件が増える
- 洗濯機置き場がコンパクトで、大きな洗濯機はそもそも置けない
「日当たりの良いベランダに、シーツをパーンと干す」
──そんな昭和的風景は、少しずつレアになっています。
さらに、花粉・黄砂・PM2.5。
- 外に干すと花粉まみれ
- 黄砂で白いシャツがうっすらベージュに(それ、もはや別の服)
これらを避けるために部屋干し派が急増。

でも部屋干しは、
- 場所を取る
- 生乾き臭のリスク
- 除湿機フル稼働で電気代も気になる
と、なかなかストレスフルです。
そこで、
「もうプロ(=業務用乾燥機)に任せよう」
となるわけですね。
コインランドリーは、
住環境と外干しリスクの“しわ寄せ”をまとめて受け止めている存在
とも言えます。
「家では洗えないモノ」が多すぎ問題

■理由その3
思い出してみてください。
最後に布団を丸洗いしたの、いつですか?
「えっと…平成?」と答えたくなった人、要注意です。
家庭用洗濯機では厳しいものの代表例が、
- 羽毛布団
- 毛布・ラグ・カーペット
- カーテン
などの大物洗濯。(なかなか家では洗いづらいものたち)
「コインランドリーで布団丸洗いOK!」と書かれた看板、最近よく見ませんか?

業務用の大型洗濯乾燥機は、
- 布団を丸ごと洗える容量
- 60℃以上の高温乾燥でダニ退治
- 花粉・アレルゲンの除去
といった“健康ニーズ”にも直球で応えてくるスペックになっています。
「アレルギー持ちの子どものために、シーズンごとに布団を洗いに行く」
という家庭も増えていて、コインランドリーは、
ただの“洗濯の外注先”から、“家族の健康を守る場所”へ
と、役割をアップデートしつつあるのです。
暗くて怖いイメージから「カフェ的ランドリー」へ

■理由その4
ひと昔前のコインランドリーのイメージといえば、
- 昼でもなぜか薄暗い
- 雑誌『○○ジャンプ』が3年前の号で止まっている
- どこの誰か分からない人がずっといる
正直、あまり近寄りたくない空気感がありました。(そういう雰囲気が好きな人もいるかもしれませんが……多くの人には怖い場所なのではないでしょうか)
ところが最近の店舗はどうでしょう。
- 大きな窓ガラスで店内が明るい
- 北欧風インテリア
- Wi-Fi完備、コンセントあり
- 中にはカフェ併設、ベーカリー併設まで
「それ、もうカフェじゃん」と言いたくなるレベルで、“行きたくなる場所”に進化しています。

この“イメージの大逆転”が、
「一度行ってみたら意外と快適 → リピート」というループ
を生んでいます。
特に女性にとって、
- 明るい
- 清潔
- 人目がある
というのは利用のハードルを大きく下げる要素。
設計そのものが「入りやすさ」を意識しているため、利用者層も一気に広がりました。
暗いコインランドリーは、もはや絶滅危惧種。
今や主流は、“洗濯できるサードプレイス”です。
オーナー側から見ると魅力的なビジネスだった

■理由その5
ここからは、ちょっと裏側の話。
なぜそんなに新規出店が増えるのか?
それは、ビジネスとしての魅力が高いからです。
ざっくり挙げると、
- 無人運営または少人数でOK → 人件費が抑えられる
- 在庫が腐らない(洗濯機と乾燥機は賞味期限がない)
- 景気に左右されにくい(日常生活に密着した需要)
- 駐車場や空きテナントなど、遊休地の活用にぴったり
平均的な収益モデルでは、
- 初期投資:数千万円規模
- 利回り:8〜12%を狙えるケースも
- 回収期間:7〜10年程度
もちろん、立地や運営次第で成否は分かれますが、少なくとも
「人手不足の時代に、比較的人に頼らず回せるビジネス」
という点で、多くのオーナー・投資家を引きつけているのは事実です。

さらに最近は、
- ガソリンスタンド併設
- ドラッグストア併設
- フィットネスジムや美容院との複合型
など、他業態とのコラボレーションも増加中。
「洗濯している間に筋トレして、帰りにシャンプー買って、ついでにコーヒー飲んで帰る」
もはや何をしに行ったのか分からなくなりますが、時間とお金を落としてもらう仕掛けとしては非常に合理的です。
テクノロジーの進化で「わざわざ行く価値」が発生

■理由その6
コインランドリーの機械も、地味にハイテク化が進んでいます。
例えば、
- 洗濯〜乾燥まで全自動のコース
- オゾン水や高温による除菌コース
- 羽毛布団専用コースやスニーカー専用洗濯機
といったメニューの細分化・高機能化。
さらに、
- アプリで空き状況を確認
- キャッシュレス決済(クレカ・QRコードなど)
- 終了時にスマホへ通知
など、IoTを活用した仕組みも当たり前になりつつあります。

これによって、ユーザー体験は、
「小銭をジャラジャラさせながら、まだかな…と待つ場所」
から、
「スマホと連携しながら、効率よく暮らしを整える場所」
にアップデートされました。
つまり、“家の洗濯機の延長線”ではなく、“一段上の洗濯体験”を提供しているわけです。
コインランドリーは「インフラ」になりつつある

■理由その7
ここまで理由を並べてきましたが、まとめると──
- 共働き・忙しさ → 時間を買うニーズ
- 住環境・外干し問題 → 洗濯の外部化
- 大物洗い・健康志向 → 布団などの定期的なプロ任せ
- イメージ刷新 → おしゃれで入りやすい空間
- ビジネスとしても旨味あり → 出店が増える
- テクノロジーで快適性アップ → 体験価値の向上
これらが全部掛け算されて、
コインランドリーは「仕方なく行く場所」から「積極的に選ばれるサービス」へ
と変化しました。

かつて「コンビニなんてそんなに要らないでしょ」と言われていた時代があったように、
今「コインランドリーそんなに要る?」と言っている人も、10年後には週1で通っているかもしれません。
最後に

次に、コインランドリーの前を通るとき
最後に、ちょっとだけ想像してみてください。
週末の午後。
車で大きな布団を運び、家族でコインランドリーに行く。
子どもはキッズスペースで遊び、親はコーヒーを飲みながら、ふかふかに乾いていく布団をガラス越しに眺める──。
それは、もしかしたら「家事」ではなく、
ちょっとした“家族イベント”や“自分をいたわる時間”
に近いのかもしれません。

コインランドリーが増えている理由をたどっていくと、見えてくるのは、
- 働き方の変化
- 住まい方の変化
- 時間の使い方の変化
つまり、私たちのライフスタイルそのものの変化です。
次に街角で新しいコインランドリーを見つけたら、
「また増えたな」ではなく、「あ、時代がここにも現れているな」
と、ちょっとだけ視点を変えて眺めてみてください。
そしてもし、家の洗濯物が山になっているなら──
そのドアを、そっと開けてみるタイミングかもしれません。

