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雷雲の上には「赤いクラゲ」がいる?――長いあいだ信じてもらえなかった巨大発光現象

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

「今、雷が上に飛ばなかった?」

夜。

遠くで雷が光ります。

ピカッ。

雲の下が白くなる。

いつもの雷です。

その直後。

雷雲のずっと上に、

赤い何かが現れます。

細長い光が垂れ、

見た目は巨大なクラゲ。

「……何あれ?」

そう思った頃には、

もう消えています。

幽霊でもUFOでもありません。

この光には、

ちゃんと名前があります。

スプライト。

そして、

この現象がきちんと撮影されたのは、

思ったよりずっと最近だったりします。

※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。

パイロットは、先に見つけていた

時代を少し戻します。

飛行機の操縦席。

遠くで雷雲が光る。

その上に、

赤い閃光が走ります。

パイロットが言います。

「今、雲の上が光った」

でも、

一瞬すぎて写真はありません。

もう一度見ようとしても、

出てこない。

長い間、

こうした話は、

「雷の見間違いでは?」

で終わることがありました。

状況が変わったのは、

1989年。

夜空を撮影していたカメラに、

その光が偶然入りました。

パイロットの話に、

ようやく映像が追いつきます。

写ったものが、思ったよりデカい

映像に残ったことで、

次の問題が出てきました。

これ、どれくらい大きいの?

答えは、

かなり大きいです。

スプライトが現れるのは、

およそ高度50〜90km。

横にも、

数kmから数十km規模に広がることがあります。

小さな火の玉どころではありません。

場所によっては、

街ひとつ分くらいの光

が空に出ることになります。

それなら、

誰でも気づきそうです。

なのに、

ほとんどの人は見たことがありません。

理由は、

大きさではなく時間でした。

巨大なのに、ほぼ一瞬で消える

スプライトは、

とにかく短命です。

観測されたものには、

16ミリ秒より短い発光

もあります。

0.016秒以下。

人間が、

「あっ」

と言う前に終わります。

巨大なのに、

長くは見せてくれない。

だから昔の人は、

見つけられなかったわけではありません。

見つけても、証拠にしにくかった。

ここで一つ疑問が残ります。

そもそも、

なぜ雷雲の「上」が光るのでしょう。

雷は下だけで暴れているわけではない

雷が落ちます。

雲の中で、

大量の電荷が一気に動きます。

その影響は、

地面だけに向かうわけではありません。

上空にも届きます。

すると、

空気の薄い高い場所で、

強い電場ができます。

その電場で空気中の分子が刺激され、

赤い光が出る。

これがスプライトです。

普通の雷が、

雲の中や地面の近くで起きるなら、

スプライトは、

雷の騒ぎが宇宙の手前まで漏れた跡

のようなものです。

しかも、

上にいるのは赤いクラゲだけではありません。

空の上には、まだ仲間がいる

雷雲の上を見ていると、

今度は赤ではなく、

青い光が上空へ伸びる

ことがあります。

これは、

「ブルージェット」と呼ばれる現象です。

さらに高い場所では、

巨大な光の輪が、

一瞬だけ空に広がることもあります。

こちらはELVES(エルブス)。

赤いクラゲのような光が出たかと思えば、

次は青い光が伸び、

さらに上では巨大な輪まで広がる。

どれも、

地上で起きた雷と関係する現象です。

僕たちは長い間、

雷といえば、

雲から下へ走る光ばかり見ていました。

ですがその頭上でも、

かなり派手なことが起きていたようです。

真下にいるほど、見えにくい

スプライトを見たい。

では、

雷雲の真下に行けばいい。

……とはなりません。

真下に行くと、

雲が邪魔です。

スプライトが出るのは、

その雲より上。

しかも、

一瞬で消える。

見るなら、

雷雲からかなり離れた場所から、

雲の上まで見渡した方が有利です。

要するに、

スプライトは隠れていたわけではありません。

巨大な光なのに、

近くにいるほど見えにくかった。

そのため長いあいだ、

「見た」という話はあっても、それを証明する映像がなかなか残りませんでした。

最後に

夜。

ピカッ。

男性が空を見ます。

「今の雷、でかかったな」

その瞬間。

雲の上。

街より大きな赤いクラゲが出現。

さらに上では、

巨大な光の輪。

そして、

0.016秒ほどで終了。

男性は何も知らず、

テレビに戻ります。

「雨、降るかな」

数十km級の光を出しても、

一瞬で消えれば気づかれない。

自然界にも、

派手なのに、まったく売り込みが下手なやつがいるようです。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
文章を書くことを楽しむ自称・小説家です。
歴史や文化、日々の暮らしに潜む雑学を題材に、無駄雑学などの小噺を発信しています。
どうぞ、ふらりと覗いてみてください。
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