ゲームの話
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頭を使って、運に負ける。古代から続くゲーム「バックギャモン」

佐藤直哉(Naoya sato-)
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はじめに

名前は知っている。でも、何をするゲーム?

チェスは知っている。

オセロも遊んだことがある。

では、バックギャモンは?

「……名前しか知らない」

三角形がズラリと並んだ、不思議なゲーム盤。

なんだか難しそうですが、正体は意外と単純です。

サイコロを使った、2人対戦のすごろく。

ただし、普通のすごろくとは少し違います。

相手の邪魔ができるのです。

しかも、かなり積極的に。

※本記事は、競技団体や博物館の公開資料、および筆者個人の見解をもとに制作しています。歴史的な事実には諸説や未解明の部分があり、情報の正確性を保証するものではありません。また、本文中の会話や一部の描写には、内容を分かりやすく伝えるための創作が含まれています。

ルールは簡単。でも、性格が悪くなりそうなゲーム

基本は、たったこれだけ。

  • お互いに15枚の駒を使う。
  • サイコロ2個を振って駒を進める。
  • 自分の駒を15枚すべてゴールさせれば勝ち。

ただし、相手の駒が1枚だけある場所に止まると、その駒を中央の「バー」へ追い返せます。

さらに、2枚以上の駒を重ねれば、相手の進路を封鎖できます。

例えば、こんな具合です。

「よし! あと少しでゴールだ!」

「じゃあ、この駒を追い返すね」

「……えっ?」

順調だった計画が、一瞬で崩壊。

ちなみに、勝負の点数を倍にする「ダブリングキューブ」という道具まであります。

負けそうな相手に、さらに大きな勝負を迫れるのです。

初心者は使わなくても大丈夫。

どうやら、ただのすごろくではないようです。

数千年前から、人間はすごろくに夢中だった

今から約4500年前。

古代メソポタミアには、すでに「ウル王朝のゲーム」という盤上ゲームが存在しました。

もちろん、現代のバックギャモンとは別のゲームです。

しかし、駒を進めて勝負するという発想は共通しています。

当時の遺跡からは、ゲーム盤だけでなく、駒やサイコロにあたる道具まで発見されています。

想像してみてください。

古代のプレイヤーが、勝負の行方を見守っています。

「ここでいい目が出れば勝てる!」

道具を振る。

「……なんで今それが出るんだ!」

もちろん、当時の人々がどんな会話をしていたのかは分かりません。

ただ、数千年が経った現代でも、人間はサイコロの出目に一喜一憂しています。

どうやら人間は、運に振り回される遊びが好きなようです。

完璧な作戦。問題はサイコロだった。

バックギャモンは、運だけでは勝てません。

相手の動きを読み、駒の配置を考え、先の展開を予測する。

頭を使うゲームなのです。

「よし、相手の道はふさいだ!」

「次に6が出れば、こっちの勝ちだ!」

完璧な作戦。

あとはサイコロを振るだけ。

コロコロ……。

「……1」

もう一度、作戦を考え直す。

「今度こそ完璧だ! 次は4が出れば勝てる!」

コロコロ……。

「……2」

どうやら、このゲームで一番作戦に協力してくれないのは、サイコロのようです。

最後に

数千年経っても、人間はサイコロに振り回される

約4500年前の古代メソポタミアには、すでに駒を進めて競うゲームがありました。

それから長い年月が流れ、人類の暮らしは大きく変わりました。

昔は運任せだったことも、今では技術の力でコントロールできるようになっています。

天気を予測し、病気を治療し、宇宙にまで飛び出しました。

それなのに、人間は今でもサイコロを振っています。

しかも、わざわざ勝敗が運に左右されるゲームを作ってまで。

考えてみれば、少し不思議な話です。

普段の生活では、思いどおりにならないことを嫌がるのに。

遊びになると、お金と時間をかけてまで、思いどおりにならない状況を作り出しているのです。

そして、負ければ悔しがり、勝てば大喜び。

「もう一回!」

そう言って、またサイコロを手に取ります。

どうやら人間は、思いどおりにならない人生には文句を言いながら、思いどおりにならないゲームには「もう一回」とおかわりを要求する生き物のようです。

ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
人間は、幸福を求めて不幸になり、平和を守るために争い、自由を手に入れてから誰かの指示を待つ。
そんな人間たちの奇妙な行動を、短い物語と少々意地悪な言葉の定義で記録した、役に立たない雑学記事。
なお、この記事を読んでも人間の欠陥は改善されません。
それは著者も同じだからです。
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