「コンビニの水、なんとなく不安問題」──ミネラルウォーターは本当に信じていいのか、ちゃんと考えてみた
はじめに

深夜2時、なぜ人は水の前で立ち尽くすのか?
夜中の2時。
仕事は終わった。
体はここにある。
だが脳はもう動かない。
それでも人は、なぜかコンビニの冷蔵棚の前で立ち尽くします。
「……この水、本当に大丈夫か?」

おかしな話です。
隣には砂糖たっぷりの飲み物、
向こうにはカフェインで殴ってくる系ドリンク。
健康面で言えば、そちらの方がよほど心配なはずなのに、
なぜ“ただの水”にだけ、こんなにも神経を使うのか。

値段は100円前後。
安い。
それなのに、体の約6割は水。
──ちょっと待ってください。
この100円、
私の体の6割を引き渡す重要書類じゃないですよね?
署名する前に、但し書きくらい読みたいんですが。
このとき胸に浮かぶ「なんとなく不安」

大げさでも、神経質でもありません。
水は毎日体に入るものだからこそ、
人は無意識に慎重になる。
つまりこれは、
不安というより、確認作業。
ごく普通で、かなり人間らしい反応です。
※本記事は筆者個人の感想をもとにエンターテインメント目的で制作されています。
「ミネラルウォーター」は、思った以上に雑な言葉

ここで一度、言葉の話をします。
私たちは普段、かなり気軽に「ミネラルウォーター」と言っていますが、
この言葉、実はだいぶ大ざっぱです。
たとえるなら、
「動物」って言って犬も猫もハトも含めている感じ。
間違ってはいないけど、情報量はゼロ。
法律上は、原水や処理方法の違いによって、
ミネラルウォーター類はきっちり4つに分かれています。
- ナチュラルウォーター
- ナチュラルミネラルウォーター
- ミネラルウォーター(ブレンド・成分調整あり)
- ボトルドウォーター(水道水などが原水)

ここで、よくある反応。
「じゃあ“天然水”って書いてあれば安心ってこと?」
……気持ちは分かる。
分かるけど、そこは早合点です。
名前が違っても、
どれも同じく“食品”として扱われ、同じ法律の管理下にあります。
水なのに食品。
改めて書くと違和感がありますが、
この一点だけでも、
“適当に売っていい存在ではない”ことは伝わるはずです。
地味ですが、
安心の土台としては、かなり大事なポイントです。
水は、飲まれるずっと前からチェックを受けている

ミネラルウォーターの安全性は、
口に入った瞬間に急に始まるわけではありません。
もっと前。
ずっと前。
下手をすると、
「飲まれる資格があるかどうか」の段階から見られています。
原水の時点で課される条件は、わりと容赦なし。
- 大腸菌:検出されないこと
- 一般細菌:1mLあたり100以下
- 鉛・ヒ素・硝酸性窒素などは細かく上限設定
数字だけ見ると地味ですが、
意味している内容はかなりシビアです。
これ、水道水と同レベルか、それ以上です。

つまり、
「まあ水だし」
「たぶん大丈夫でしょ」
といった水は、
この時点で静かに席を立たされます。
なお、放射性物質についても、
事故以降に基準が整えられていて、
「不安だけど、どう判断していいか分からない」
という状態に対して、
ちゃんと数値で判断する仕組みが用意されています。
「殺菌=怖い」は、だいたい思い込み

ここで一度、ありがちな誤解をほどきましょう。
「殺菌って聞くと、なんかイヤ」
「人工的っぽいし、体に悪そう」
──はい、分かります。
でも、ここで一回だけ冷静になります。
落ち着いて、水の立場になって考えてみましょう。
水は、
何もしなければ、そのまま劣化していく食品です。
放っておけば、
微生物は増える。
増えれば、品質は下がる。
そして「なんか変な味がする水」になります。

それを防ぐために、
- 加熱
- 紫外線
- 膜ろ過
といった方法で、
問題になりそうな微生物だけを減らす。
これ、
水をいじめているわけでも、
無理やり改造しているわけでもありません。
例えるなら、
生ものを冷蔵庫に入れるのと同じ。
「冷蔵庫=人工的で怖い」とは、
さすがに思わないですよね。
つまり殺菌は、
不自然な操作ではなく、
安全を安定させるための現実的な対処。
「何もしない方が自然」
──その発想が成立するのは、
自然がいつも人間に都合よく振る舞ってくれる場合だけです。
ミネラル成分は、どれくらいブレるのか

「自然の水なんだから、日によって成分違うでしょ?」
──はい、その疑問、とても自然です。
むしろ一度もそう思わなかった人の方が心配です。
結論から言うと、
ブレはゼロではありません。
でも、身構えるほどではありません。
地下水は、
雨が降ったから翌日いきなり性格が変わるような存在ではなく、
長い年月をかけて地層をゆっくり通ってきます。
そのため、
- 天候が荒れても
- 季節が変わっても
- 短期的な環境の変化があっても
水質への影響はかなり穏やか。

さらにメーカー側では、
- 定期的に成分を分析し
- 表示している数値から大きく外れないかを確認
しています。
つまり、
「今日はカルシウム多めで攻めてきたな」とか、
「昨日より味が尖ってない?」みたいな事態は、
まず起きません。
結論:
味や成分が、気まぐれに変身することはない。
正直に言うと、まだ分かっていないこともある

ここまで読んで、
「じゃあ結論、完全に安全ってことでいいですね?」
──と言いたくなるかと思います。
でも、ここで一度立ち止まります。
話をきれいにまとめたくなる気持ちを、ぐっとこらえて。
そう、完全とは言えないのです。
最近よく耳にする、
マイクロプラスチック/ナノプラスチック。
ちゃんと調べると、
「あります。検出されています」
ここはごまかしません。
ただし、ここからが重要。
- どれくらい体に影響するのか
- どこからアウト判定なのか
この肝心な部分は、
まだ研究の途中です。

つまり現状は、
「分からないものは分からない」という、
科学としてはかなり誠実な状態。
だから、現時点での最適解はこれ。
「分かっていないから、ちゃんと見ておく」
「分からないから、過剰に怖がらない」
楽観でも悲観でもなく、
その中間あたり。
正直、
それが一番まともな着地点ではないでしょうか?
不安をゼロにできない人間が、できること

ここで一つ、身も蓋もない事実を言います。
不安は、ゼロにできません。
……いや、できますよ?
「気にしない」という最強スキルを発動すれば。
ただ、そのスキル、だいたい別の場面で副作用が出ます。
なので現実的な方針はこれです。
安心は、作るものではなく、
ほどよく調整するもの。

今日からできることも、驚くほど地味です。
派手な裏ワザはありません。すみません。
- ラベルの品名と採水地を、なんとなくでいいから見る
- 成分表示を「ふーん」と一度だけ読む
- 開栓後は、思い出した時点で早めに飲み切る
- 車内放置はやめる(夏は特に)
プラスチックが気になるなら、
家では浄水+マイボトル。
外では市販の水。
完璧に統一しなくていいし、
思想を一本化する必要もありません。
その日の気分と状況で選べば、それで合格です。
最後に

水を選ぶ時間は、案外まともな時間
夜中のコンビニで、
水の前に立ち止まるあの時間。
冷静に見れば、
ただ喉が渇いているだけの出来事です。
ドラマも伏線回収もありません。
でも、あそこで一瞬考えている
「これでいいかな」
「まあ、これなら大丈夫だろう」
その数秒は、
自分の体をちゃんと雑に扱わないための時間です。

ミネラルウォーターは、
救世主でも、黒幕でもありません。
ただ、
かなり厳しいルールの中で管理されていて、
それでも完璧ではない、ごく普通の食品。
だから、深く信じる必要もないし、
過剰に疑う必要もない。
知った上で選ぶ。
考えた上で手に取る。
それだけで十分です。
次に水を手に取るとき、
迷いながらでもいいので一度立ち止まれたら、
この記事はもう役目を終えています。

