カードという文化
PR

トレカがやめられない理由──“狩猟本能”とFOMO(取り残され不安)

佐藤直哉(Naoya sato-)
<景品表示法に基づく表記>当サイトのコンテンツ内には商品プロモーションを含みます。

はじめに

ただの紙切れに宿る魔力

あなたは子どもの頃に集めたカードを覚えていますか?
「ポケモン」、「遊戯王」、「プロ野球チップス」のおまけカード
──財布や引き出しに詰め込み、友達と交換していたあの頃。

大人になった今、カードを開封するときのドキドキがまだ残っている人も少なくありません。
しかも現代では、トレーディングカードは遊び道具を超えて投資対象にまで進化しています。

数十万円どころか、レア物は数千万円で取引されることも。

「紙の板にそこまでの価値があるのか?」と冷静に考えるとツッコミを入れたくなります。

ですが、実際に手に取ったときの胸の高鳴りは
──まるで宝くじ売り場で「1等前後賞10億円!」のポスターを見た瞬間のように抗えない。

本記事では、人がカードに惹かれる理由「本能」「心理」「社会」「投資性」の4つの視点から紐解いていきます。

※本記事はエンターテインメント目的で制作されています。

あわせて読みたい
【トレカ好き必見!】VSS鑑定で“真贋チェック&相場確認”が同時にできる
【トレカ好き必見!】VSS鑑定で“真贋チェック&相場確認”が同時にできる

第1章:狩猟採集の本能と“収集欲”

人間の脳は「見つける・集める」という行為に喜びを感じるようにできています。

太古の祖先は、森で果物や獲物を探して生活していました。
その行為がうまくいけば命が助かる。
つまり、レアを引き当てる=生き残るという回路が脳に組み込まれているわけです。

トレカを開封して「キラカード」が出た瞬間のアドレナリン。
あれは祖先が木の実を見つけた喜びの現代版。
違うのは「腹を満たす」代わりに「心を満たす」こと。

しかも、カードパックの仕組みはギャンブル性を帯びています。

中身がランダムで、欲しいカードが出るかは分からない。
この「不確実性」こそ人を虜にする最大の要因。
心理学ではランダム報酬効果と呼ばれ、脳がドーパミンを大量分泌するのです。

スロットマシンと同じ仕組み、と言えば「なんだ、ギャンブルか」と思うかもしれません。

でも、
果物を見つけるか、レアカードが当たるか
──それはどちらも人間にとってはご褒美なのです。

第2章:社会的欲求とFOMO

次に大きな理由は、「みんなが持っているのに自分だけ持っていないのは嫌だ!」という心理。
現代風に言えばFOMO(Fear of Missing Out=取り残される不安)です。

子ども時代を思い出してみてください。
友達のA君が「みんなが欲しがるレアカード」を持ってきたら、休み時間はその話題で持ちきり。
自分が持っていなければ「やばい、輪に入れない」と焦る。

大人になっても状況はあまり変わりません。

SNSではコレクションの自慢がタイムラインを埋め尽くし、「限定版を手に入れた!」と投稿されると、いいねよりも先に心の中で「悔しい!」が押される。

ここで働くのが「社会的証明」
心理学的に、人は「みんなが持っている=正しい、価値がある」と思いやすいのです。
限定ボックスやプロモカードが熱狂的に売れるのは、カードそのものの性能よりも「希少性を持っている自分」というステータスが欲しいから。

例えるなら
──高級ブランドバッグを持つのと同じ

違うのは、バッグは肩にかけるけど、カードはファイルにかける(しまう)ということだけ。

第3章:カードの物質性と記号性

スマホで何でも完結するデジタル時代に、トレーディングカードの“物理的な存在感”はむしろ貴重です。

厚みのある紙、光沢加工、指先で感じる手触り。

手元に“モノ”として残るからこそ「所有している感覚」が強まります。

さらに、カードは「記号」としての意味も持ちます。
特定のイラストや番号が付いた1枚は、ただのゲームパーツではなく「象徴」に変わるのです。

ポケカのピカチュウがもはやマスコットを超え、「文化アイコン」となったのはその最たる例。

いわばカードは「小さなキャンバスに収められたアート作品」であり、同時に「社会的ステータスを表すバッジ」でもあります。

だから人は「使う」ためではなく「持つ」ために集めてしまうのです。

第4章:投資対象としてのカード

ここ数年でカード市場は爆発的に拡大しました。

ポケカやスポーツカードがオークションで数百万円、時には数千万円で落札されるニュースを見たことがある人も多いでしょう。

株式や暗号資産と違うのは、カードには感情価値があるということ。
「子どもの頃の思い出」
「推しキャラの存在」
「自分のアイデンティティ」
──投資対象でありながら、心の琴線に触れる要素が含まれています。

つまり、株券は額に飾っても感動しませんが、キラカードなら額に飾れば一生眺められる。
(※ただし家族に「これで家が買えたのに」と冷たい目で見られる可能性はあります)

もちろん、バブル的な要素もあり「今は高いけど、将来はどうなるか分からない」というリスクも存在します。
けれど「好きだから集める」「投資として持つ」が同時に成立する
──この二重構造こそがトレーディングカードの最大の魅力なのです。

最後に

カードは人間の鏡である

ここまで見てきたように、トレーディングカードに人がハマる理由は一言では片付けられません。

  • 狩猟採集の本能を刺激する「収集の快感」
  • 取り残されたくないという「FOMO心理」
  • 物理的な所有感と記号としての「文化的価値」
  • さらに「投資対象」としての資産性

これらが複雑に絡み合い、私たちを“カード沼”へと導きます。

カードをめくるたび、私たちは
「祖先の狩り」
「仲間との競争」
「文化の象徴」
「資産の夢想」
を同時に体験している。

つまり──カードは人間の欲望のデパート……なのかもしれません。

最後にひとつだけ質問を。
あなたの部屋や財布に、まだ「手放せない1枚」が眠っていませんか?
もしそうなら、それは単なる紙切れではなく
──あなたの人生の縮図かもしれません。

あわせて読みたい
【トレカ好き必見!】VSS鑑定で“真贋チェック&相場確認”が同時にできる
【トレカ好き必見!】VSS鑑定で“真贋チェック&相場確認”が同時にできる
ABOUT ME
佐藤直哉(Naoya sato-)
佐藤直哉(Naoya sato-)
ブロガー/小説家
小説を書いていたはずが、いつの間にか「調べたこと」や「感じた違和感」を残しておきたくなりました。
このサイトでは、歴史の中に埋もれた謎や、日常でふと引っかかる“気になる話”をもとに雑学記事、4コマ漫画、風刺ショートショートとして発信しています。
テーマはちょっと真面目。
「なんかどうでもよさそうなのに、気になる」
──そんな話を集めて発信しています。
読んだ人の中に“ひとつくらい、誰かに話したくなる話”が残れば嬉しく思います。
記事URLをコピーしました